第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【D-13】日本ヌーベルバーグ ―Vol.2―

11/22[火] ベルブホール
チケット情報

チケット料金

一般
当日のみ:800円
子ども(4歳~小学生)
無料
会場アクセス

ベルブホール

〒206-0025 東京都多摩市永山1-5
小田急多摩線/京王相模原線「永山駅」より徒歩2分。ベルブ永山5階

少年

  • 1969年/創造社、ATG製作/ATG配給/97分
  • 監督=大島渚
  • 脚本=田村孟
  • 撮影=吉岡康弘、仙元誠三
  • 美術=戸田重昌
  • 音楽=林光
  • 出演=渡辺文雄、小山明子、阿部哲夫、木下剛志

ストーリー

戦争で傷を負った父(渡辺)、後妻の母(小山)、血の繋がらない兄弟の少年(阿部)とチビ(木下)の4人は当たり屋で生計を立てつつ、足がつかないよう全国各地を転々とする。

コメント

1960年代に実在した、子どもを使った「当たり屋」事件を題材にした作品。犯罪者家族を描いた映画といえば『万引き家族』が思いつくが、50年前にもこんな作品があったのかと驚いた。しかも日本列島を北上していくロードムービーでもある。

少年がひとり涙を流して「できたぞ、父ちゃん」と呟く冒頭。それが当たり屋の演技の練習であり、傷痍軍人の父に暴力を振るわれて嫌がりながらもどんどんその手口を上達させていく姿に、子どもの柔軟性や適応力の負の側面を、皮肉なほど感じてしまった。

途中、お腹の子を堕胎したくない継母と協力関係を築いたところから物語はスピードアップする。いよいよ北限・北海道の宗谷岬でようやく犯罪行為の繰り返しから解放されるかと思いきや、実際の交通事故を目の当たりにしてそこからもうひと展開。雪が積もった野っ原で少年が幼い弟に宇宙人の話を語る場面は、その場の寒さを肌身で感じられるような切実さがあった。(理)

豚と軍艦

  • 1961年/日活製作・配給/108分
  • 監督=今村昌平
  • 脚本=山内久
  • 撮影=姫田真佐久
  • 美術=中村公彦
  • 音楽=黛敏郎
  • 出演=長門裕之、吉村実子、南田洋子、中原早苗、大坂志郎、小沢昭一、三島雅夫

ストーリー

横須賀・ドブ板通り。水兵で賑わう繁華街を横目に売春を摘発されて商売上がったりの日森一家の表情は冴えない。そんななか、ひょんなことから一家のチンピラ・欣太(長門)は豚の飼育を始めることになる。

コメント

戦後すぐの混沌とした横須賀・ドブ板通りを舞台に、貧困と暴力に翻弄される人間の愚かしさを豚と対比しながら滑稽に描いている。寓意的で殺伐として救いようのないストーリーだが、活力あふれる俳優たちの演技、軽やかでユニークなタッチの演出、ロケーションの力強さが相まって独特の魅力がある作品となっている。

若かりし頃の長門裕之や丹波哲郎、小沢昭一、南田洋子、菅井きん、東野英治郎といった錚々たる面々のなか、新人だった吉村実子演じるヒロイン春子の存在感が際立っている。特にラストで、軍艦でやって来た米兵を我先に捕まえようとする女たちの波を掻い潜るようにひとり電車のホームに向かう背中は、「自立してこそ人間」というメッセージを表していて強い印象を残した。

また、春子が米兵に暴行されるシーンで天井からベッドを見下ろすカメラがぐるぐると回転する演出は非常に斬新。一見の価値がある。(理)

プログラム一覧

白鳥玉季氏 李相日監督
磯村勇斗氏 伊藤さとり氏(映画パーソナリティ)
狩山俊輔監督 鶴谷香央理氏(原作者) 中井圭氏(映画解説者)
小林啓一監督 中井圭氏(映画解説者)
早川千絵監督 金原由佳氏(映画ジャーナリスト)
森井勇佑監督 大沢一菜氏 青葉市子氏(音楽家)
山口路子氏(作家)
安川有果監督 小原治氏(ポレポレ東中野スタッフ)
杉田協士監督 東直子氏(歌人) 荒木知佳氏
川北ゆめき監督 いまおかしんじ氏(本作脚本) 青木柚氏 中村守里氏
いまおかしんじ氏(本作脚本) 小出恵介氏 日高七海氏 森直人氏(映画評論家)
斉加尚代監督 志田陽子氏(武蔵野美術大学教授)
伊藤春奈氏(花束書房) 水上文氏(文筆家)
宇田川幸洋氏(映画評論家)
山野晃プロデューサー 片山慎三監督 松崎健夫氏(映画評論家)
鈴木卓爾氏 翁華栄氏 さとうこうじ氏 鈴木秀幸氏(共同脚本)
西垣吉春監督
大山顕氏 佐藤大氏 稲田豊史氏 速水健朗氏 妹尾朝子氏 山内マリコ氏 久保寺健彦氏
平一紘監督 玉代㔟圭司氏 平隆人氏 南里美希氏