第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【C-13】松田優作生誕70周年

11/30[土] ベルブホール

チケット料金

一般
前売:1,500円 / 当日:1,800円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

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処刑遊戯

  • 1979年/東映セントラルフィルム製作/東映配給/100分
  • 監督=村川透
  • 企画=黒澤満、紫垣達郎、伊藤亮爾
  • 脚本=丸山昇一
  • 撮影=仙元誠三
  • 音楽=大野雄二
  • 出演=松田優作、りりィ、青木義朗、草薙幸二郎、阿藤海、トビー門口、山西道広、片桐竜次、森下愛子、山本麟一、佐藤慶

ストーリー

行きつけのバーで知り合ったピアニスト直子(りりィ)と一夜を過ごした帰路、殺し屋・鳴海昌平(松田)は正体不明の組織に拉致され、直子を返す条件として殺しを依頼される。相手は組織を知り過ぎた殺し屋、岡島(青木)。岡島は海外への逃避を図り、最後の夜をホテルで過ごすが、そこに拉致されているはずの直子が現れる。鳴海は岡島を狙撃した後、組織から再度殺しを依頼される。

コメント

「遊戯」シリーズ第3作であり最後の作品。過去2作と異なりコミカルな要素を一切省き、削ぎ落としたセリフでハードボイルドの極限を見せる。あえてカテゴリー分けするならば松田優作のアクション俳優としての最後の作品であり、それまでのアクション俳優としての流れを断ち切った次作の主演映画『野獣死すべし』の演技の萌芽が見られる。松田優作主演映画の最重要作品のひとつ。

脚本家丸山昇一の初の劇場映画であるが、デビュー作であるテレビドラマ「探偵物語」のハードな部分を徹底させた作品であり、以降のキャリアを決定づける作品となった。

大人の雰囲気のりりィとまだあどけなさが残る森下愛子の好演、絵画のような映像美が楽しめる。

企画:黒澤満、監督:村川透、撮影:仙元誠三、脚本:丸山昇一と、松田優作が信頼するチームの作品。(秀)

野獣死すべし

  • 1980年/角川春樹事務所、東映製作・配給/118分
  • 監督=村川透
  • 製作=角川春樹
  • プロデューサー=黒澤満、紫垣達郎
  • 原作=大藪春彦
  • 脚本=丸山昇一
  • 撮影=仙元誠三
  • 音楽=たかしまあきひこ
  • 出演=松田優作、小林麻美、室田日出男、鹿賀丈史、根岸季衣、風間杜夫、岩城滉一、佐藤慶、草薙幸二郎、青木義朗

ストーリー

かつて戦場カメラマンとして各国の紛争地帯を撮影していた伊達(松田)は、現在は翻訳家として生活しているが、戦場で培った野獣のような感性を磨き、銀行強盗を計画する。同じ匂いのする真田(鹿賀)を誘って銀行を襲撃するも、以前から伊達を探っていた刑事(室田)の執拗な追跡に周到な計画が綻んでしまう。

コメント

「遊戯」シリーズなどのヒットで名実ともにアクションスターとなった松田優作が、『蘇える金狼』に続きハードボイルド作家大藪春彦の原作で挑んだ野心作。スタッフには黒澤満プロデューサー、村川透監督、仙元誠三撮影など、松田優作の信頼厚い人材に加え、『処刑遊戯』に続いて丸山昇一を脚本に招き、主人公の闇の深さを描き出すことに成功している。

それまでの松田優作の主演作品とは色合いを異にし、精悍な肉体の追求は鳴りを潜め、戦場カメラマンとしての過去を深い闇とほとばしる狂気との強いコントラストに重点を置かれた作品となっている。松田優作も主人公の内に秘めた狂気を再現すべく、過酷な減量に加え奥歯を抜いて顔を細く見せるなどの役作りを徹底して撮影に挑んだ。その演技が功を奏し、主人公の野獣の本能が目覚めてからの鬼気迫る演技には躍動感が漲り、それまでの閉塞感漂う流れを一気に吹き飛ばす力を持っている。(丈)

ゲスト紹介

丸山 昇一 氏

Maruyama Shoichi

1948年生まれ、宮崎県出身。脚本家。テレビドラマ「探偵物語」でデビュー。松田優作主演『処刑遊戯』(79年)で劇場映画デビュー。その後、『野獣死すべし』(80年)、『ヨコハマBJブルース』(81年)の脚本を執筆、松田優作監督脚本主演『ア・ホーマンス』(86年)では共同脚本。その他代表作として『化石の荒野』(82年)、『犬、走る DOG RACE』(98年)、『カメレオン』(2008年)、『行きずりの街』(10年)。テレビドラマでは「プロハンター」、「あぶない刑事」など人気シリーズを手掛ける。

プログラム一覧

成田凌氏、今泉力哉監督、木村和平氏(写真家)
前田敦子氏、黒沢清監督
河村光庸プロデューサー 松崎健夫氏(映画評論家)※ビデオメッセージあり(シム・ウンギョン氏、藤井道人監督)
山戸結希監督、志磨遼平氏(ドレスコーズ)
横尾初喜監督、井浦新氏
鈴木卓爾監督、あがた森魚氏(ミュージシャン)、井浦新氏、大森元気氏
鈴木洋平監督、柳英里紗氏、杉原永純氏(元YCAMキュレーター、映画キュレーター、プロデューサー)
アンジャリ<八尋美樹>氏(インド楽しいこと案内人)
佐藤零郎監督、渥美喜子氏(gojo/映画ライター・シネ砦集団代表)
中原仁氏(音楽プロデューサー)
石井達也監督、根矢涼香氏、松崎健夫氏(映画評論家)
寺尾紗穂氏(音楽家・文筆家、「原発労働者」著者)
丸山昇一氏(脚本家)
杉田協士監督、宮崎大祐監督
団地団
坂本浩一監督、山本千尋氏
今泉力哉監督、北條誠人氏(ユーロスペース支配人)
長久允監督、奥山大史監督
宇賀那健一監督、山口明氏(デザイナー)