ご挨拶

●挨拶●

 映画祭TAMA CINEMA FORUMは、第16回を迎えます。
 16年という月日は、長くもあり、短くもある日々でありました。毎年毎回、様々な問題に直面し、悩みぬいた日々でありました。きびしい経済状況のなかでの運営、応援してくださる行政・企業の環境も厳しさは強まっております。
 市民が中心となって作りあげる映画祭は、どういう意味を持っているのでしょうか。20世紀の文化である映画を守り育て、それを21世紀の次世代に委託しようと、私たちの住む街から全国に向けて文化を発信する試みであります。
 様々のプログラムを組み、監督や出演者など、その創作に携わる人々との対話を通して、古い映画、新しい映画、世界の映画の魅力を発見すること。新しい世代の映像作家に発表の場を提供することで、これからの映像文化のささやかな支えになりたいという思い、あるいはデジタル時代に入った今、フィルム文化の良さを伝えたいという願いを込めて、今年の映画祭は展開します。
 貴重な時間やお金を割いて、実行委員として参加してくれる人、たまシネマ隊(ボランティア)のメンバーとして手助けにはせ参じてくれる人、浄財を資金の一部などにも提供してくださる方、観客として参加してくださる方などたくさんの人々によってこの映画祭は成り立っております。
 そのバックに、文化庁、多摩市当局、多摩市教育委員会、多摩市文化振興財団などの行政サイド、いろいろな形で援助の手を差し伸べてくださる企業の存在があります。本当にありがとうございます。
 最後になりますが、この映画祭が若い人々の労力と知恵によって作り上げられていることも忘れてはならないと思っています。若い力が、私たちの地域を支え、文化を支え、それが近い未来へのステップとなることを祈願しております。

TAMA映画フォーラム実行委員会
委員長 水野信利

●祝辞●

 多摩丘陵の山並が、色鮮やかな紅葉に彩られる秋の訪れとともに、今年もTAMA CINEMA FORUMの季節がやってきました。第16回目の開催を、心からお祝い申し上げます。
 この映画祭は、こよなく映画を愛する多くの市民の皆さんによって構成されている実行委員会を中心に、企業・関係団体などの協力を得て、企画から運営まで一貫して作り上げられています。関係者各位の熱意と、ご尽力に深く敬意を表するとともに、毎年、会場に足を運んでくださる多くの映画ファンの皆さんに、心から感謝を申し上げます。
 本映画祭では、子どもから大人まで楽しめる旬の話題作は勿論のこと、ドキュメンタリー、実験映画から、あまり日本では上映されることの少ない海外の国の作品まで幅広く取り上げて上映しており、映画・映像のもつ文化的な意義を広く観客に訴えかけています。
 また、この映画祭の特色のひとつTAMA NEW WAVEでは、今年も、若手映像作家の発掘・育成を目的に、コンペティションを開催します。ここでノミネートされた作家の作品が、他の映画祭へ出品され高い評価を受けるなど、徐々にその成果が現れています。
 今後も、TAMA CINEMA FORUMが、映画を愛する方々の集いの場となることを願うとともに、映像文化の発信源として、さらなる発展をすることを期待しています。

多摩市長 渡辺幸子