昔と同じ生活をすればあんなにスルスル生まれるか?
帝王切開だったから本当に大変な思いをしました。
出産こんなに苦しかったっけ? いまは情報が入ってくる分だけこわい?
5月21日(土)にベルブホール(多摩市立永山公民館/ベルブ永山5F)で上映する『玄牝 -げんぴん- 』。先日、実行委員会内での試写会と座談会を実施しました。出産経験のあるなし、男女、それぞれにとって印象的な作品だったようです。ここでは、座談会の内容を一部ご紹介します。参考までご覧ください。そして、5月21日(土)にご自身の眼で作品をご覧いただきたいと考えています。
◎『玄牝 -げんぴん- 』予告編
VIDEO
◎5月21日(土)の上映情報はコチラ !
---最初にまだ出産を経験していない女性に感想を伺ってみたいと思います。
Hさん(20代): こわかった?すばらしかった?感想はまとまらないけれど、今まで病院で生むのが当たり前だと迷いがなかったところに、この映画で吉村医院での出産を見た。ここで生むことができる人は限られているし、私は吉村医院みたいなところでは生む機会はないだろうけれど、こんな出産があると参考にはなったと思う。
Sさん(30代): 私はお金、仕事の休み、家族の了解と条件がそろっても吉村医院というのは難しいだろうと思いながら観てしまったけど、作品で描かれている吉村医院の環境や雰囲気に接するうちに、自分もいいお産に導かれていくように感じました。でも、実際のところはどうなんでしょうね?
---それでは私よりもう少しお姉さんの世代の方に感想を伺ってみたいと思います。
Iさん(40代、18歳のお子さんのお母さん): 吉村医院の先生は私の世代ではカリスマ。いろいろな本を読みましたが、吉村先生の記事を雑誌で読んだことがありました。前日歩いていて、陣痛がきて4-5時間くらいで生まれました。
Sさん(50代、小学生と中学生のお母さん): 私の出産の時は高齢のリスクなどあって病院で診察を受けたり生むことは自然の流れでしたが、迷いもありました。吉村院長はカリスマ的に捉えられがちみたいですが、この映画では人として抱える悩みも描かれてあり、共感を受ける部分もありました。
私自身は死産経験がありまして、「わたしは「お産で赤ん坊が死ぬことも母親が死ぬこともあってはならないと今の産婦人科学会は言っているけど、それは間違いだと思うんです。死ぬこともある。だからいのちがうまれることになるんです。」という吉村先生の言葉、心では分かるような気がしました。
Aさん(70代女性): あーあれね。生まれてくるものは生まれてきて、死んじゃうのはしょうがないっていうの。
Nさん(70代女性): 私は自分のお産も孫もいて娘のお産も見ているけれど、もう…すぐに思い出せないわ。吉村医院のお産は昔の昔のって言うけど、あれは本当に昔のお産かしら。
Aさん(70代女性): 薪割りなんてしないし。
Nさん(70代女性): そうね。薪割りしなかったわ。
MZさん(70代男性): ところで、「玄牝-げんぴん-」ってどういう意味ですか?
HGさん(60代女性): 老子の言葉? 谷神? すべては母から生まれるということ?
Nさん: 玄は元(もと)という意味。牝はメスでしょ?
Aさん: 結局、女から始まるってことじゃない?
Nさん: そうね。男の人も女の人も女性から始まるということですね。※
Sさん: 谷神の読み方は「たにがみ」ですか? 「やがみ」ですか?※
© Kumie
---それでは男性の方にも伺ってみたいと思います。
Iさん(30代男性): 勝手に行方不明の人許せない!
Yさん(20代男性): そうだ!!
Iさん(30代男性): 本当に許せないですよ!
---ところで、吉村先生もカリスマ性だけじゃなくて人間味あるところを見せるシーンがありますね。
一同: そうそう! 吉村先生がカリスマとしてではなく、すごく人間味あふれているところがありました。すごくびっくりしました。
Aさん: だってさ、やっぱり先生ったって男性だから。お産の時も結局見てるだけじゃない?取り出してるのお産婆さんよね?
HGさん: お医者さんとしてその場にいるのはもちろん大切な役目だと分かりますが…。
女性一同: 男性でしかないっていう風にも見えましたね。
★★本当は吉村先生の人間味あふれる一面を捉えたシーンは別にあり、そこを言及した話にもなりましたが、ここではカット。本編でぜひご覧ください★★
© Kumie
---それでは、まだ感想を伺っていない男性の方?
Yさん: 僕は出産に立ち会ったことないけど、子どもの頃に立ち会って見たかったなーと思いました。
一同: お産を見て泣いている男の子いました。
---子どもの頃お産に立ち会ったご経験のある方いらっしゃいますかー?
Aさん: …いないわよね…。子どもが立ち会ったなんて話、まわりで聞いたことないし、男の人が出産に立ち会うなんて言い出したのも最近じゃない?
Nさん: 男性は「あっちいってて!」という感じで立ち会うなんてなかったですよね。
MZさん: 私も立ち会ったことありません。出産を見たことなかったです。
HGさん: それにしても、出産ってとてもプライベートなことなのに、それを映画で皆で観るなんてこと、本来はとても違和感を感じることですよね。
(一同、じわじわとだんだんにうなずく)
---他に感想を謂っていない男性の方?
Iさん(30代男性): わたしは映画の内容ではなくて、構成についての感想ですが、ナレーションが全く入っていなかったように思います。何でナレーションなかったんでしょうか。吉村先生は普通の先生というより極端な先生なのかな? ということはなんとなく分かったのですが、他のことは今の話を聞いてやっと分かってきた感じです。
---Mさんはどうでしょうか?
Mさん(20代男性): 僕も同じ意見です。
Iさん: それから取材と撮影はどんな風にされたのでしょうか?
---撮影期間は春から夏。取材はもっと前から。一通り見てから撮ったそうです。それを長さに限りのある16mmフィルムで撮ったというのは監督の思いなのだと思います。
---他に何か話したいことがある方いらっしゃいますか?
Nさん: そういえば吉村医院のお産では取り出すお産婆さん3人くらいだったけれど、昔の出産はお産婆さん1人。機械の使い方間違えて脳に障害が残るなんて話ありましたよね。兄弟もたくさんいて何人か死ぬ人いたじゃない?
Aさん: 立ち会うっていうのも最近のこと。昔といっても全部昔じゃないのよ。
HGさん: 映画の中で吉村先生が今の設備で診察はしてるところありましたよね。
Nさん・Aさん: いざとなったら病院ってちゃんとしているのよ。お医者さんなんだから。
© Kumie
---それではそろそろまとめにします。この作品について総合的にいかがでしたでしょうか?
一同: 気持ちのもち方を教えてくれる。それから先生、先生って言ってないところがとても良いですよね。あと出産を見て泣いてた男と子いたわよね。子どもに出産見せたら兄弟げんかないんじゃない? じゃあ大人は? 立ち会う機会のなかったお父さんにも観て欲しい。離婚率下がるのかな?
---Mさんはほとんど発言されてないですが、この作品どうでしたか? 座談会にも来てもらいましたがあまり興味持てなかったのでしょうか? そしたら申し訳なかったなと。
Mさん: いや、映画も興味があったから観ましたし、でもはっきり言ってよく分からないっていうのがありました。でも座談会出て良かったです。だって僕は映画よりあとの話の方がおもしろかったですもん。
(一同大爆笑)
---今日はこれだけいろんな年齢の人と出産についてこんなにいろいろと意見を出し合って話すことができました。皆さまも映画を観た後に、お茶でもしながら映画について話し合う時間を持たれることをオススメいたします。
※玄牝とは?
『谷神不死。是謂玄牝。』--谷神(こくしん)は死せず。これを玄牝という。
タイトルの「玄牝」とは、老子の『道徳経』第6章にあることば。大河の源流にある谷神は、とめどなく生命を生み出しながらも絶えることはない。谷神同様、女性(器)もまた、万物を生み出す源であり、その働きは尽きることがない。老子はこれを玄牝--“神秘なる母性”と呼んでいる。
※ 座談会の出席者に年代性別等を入れましたが、それぞれの意見はその世代を代表する考えであるとは考えていません。参考までにご覧ください。