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2008年02月01日

●『ランジェ公爵夫人』試写レポート

4月公開のフランス映画『ランジェ公爵夫人』http://www.cetera.co.jp/Lange/index.html
の試写に行ってきました。

監督は『美しき諍い女』のジャック・リヴェット。
今年なんと80歳を迎えるようです。
この映画にも出演しているミシェル・ピコリとビュル・オジェによる『夜顔』も先日
拝見しましたが、こちらの監督は99歳(!)のマノエル・ド・オリヴェイラ。
どちらも精力的に映画を撮り続ける姿勢といまだに瑞々しい感性には脱帽です。

リヴェットは大好きな監督なので、とても楽しみにしていた作品でした。
今回は文豪バルザックの原作で19世紀初頭のパリを舞台にしたコスチューム・
プレイということもあり、いつもの即興演出が魅力のリヴェット作品とは趣きが
違いそうな予感。
しかし、リヴェットの新作が見られるというだけで嬉しくてたまらないので期待に
胸を膨らませて、試写会場に向かいました。

『ランジェ公爵夫人』は簡単に言ってしまえば、フランス貴族社会を舞台にした
不倫の恋のお話。
しかし、そこはリヴェット。一筋縄ではいかず、二人の関係の不安定さ、もどかしさ、
情熱のすれ違いをこれでもかと見せていって、次第に「時代劇」であることを意識
しなくなっていました。
フランス人の恋に対する情熱の傾け方はたぶん、昔も今も変わらないのではない
でしょうか。

恋の駆け引きに関して、少々理解できないところもあったのですが、帰り道解説
を読んでいるとフランス人の「恋の流儀」のようなことがわかりやすく書かれていた
ので、非常に納得がいきました。恋愛にも国民性の違いがあるんですね。

リヴェットのフィルモグラフィーを振り返るとバルザック原作は3作目(『美しき諍い
女』と12時間の大作『アウトワン』)、またコスチューム・プレーも意外に多いことに
気付きました。そういった作品でもどこかリヴェットらしい登場人物、設定が息づい
ているのがファンとしては嬉しいです。
今回では主人公の叔母役のビュル・オジェが相変わらず軽やかでステキでした。

公開は4月5日から岩波ホールにて。
映画好き、文学好きの方には特にオススメです。
私もこれを機にバルザックを読んでみたいと思います。