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2006年09月02日

●「シュガー&スパイス 風味絶佳」試写会感想

『「冷静と情熱の間」のスタッフが送る珠玉のラブストーリー』

柳楽優弥、沢尻エリカ主演の恋愛映画。
その他共演者は、今若い女性から熱烈な支持を得る夏木マリ、それに大泉洋、佐藤二郎ら。
正統派の主演二人を個性派役者たちがいかに支えつつ、独自の個性を出してゆくのか?

原作は2005年谷崎潤一郎賞を受賞した、山田詠美の「風味絶佳」の表題作とのこと。

東京のはずれ、米軍基地の街福生。
そこは茶色の大地が広がり、アメリカの色が濃いおよそ日本らしくない不思議な世界。
大学へ進学せず、親の反対をよそにガソリンスタンドで働く志郎(柳楽優弥)。
彼は「グランマ」と呼ぶ祖母(夏木マリ)の自由奔放な生き方を見つつ育ってきた。
グランマは70歳になってもオープンカーの隣に若いツバメを従える、お盛んな女性だ。

しかし、志郎はまだ本当の恋というものを知らなかった。
高校時代の親友同士が女を奪い合って殴りあいの喧嘩をする。
そんなこととは無関係に生きていたはずだったのだが、彼もガソリンスタンドに新しくやってきたバイト乃里子(沢尻エリカ)と、瞬く間に恋に落ちる・・・。

主演ふたりの顔ぶれ、そしてモノクロの映画のチラシからもっとしっとりとした恋愛映画を想像していた。
しかしオープニングからOASYSの曲にのってテンポよく次々と笑いを繰り出してゆく展開に少し戸惑いつつも引き込まれてゆく。
女に「ヘタクソ!」と言われ、AVを山のように借りてきて男同士で色々と研究するシーンとかはクスクスっと笑ってしまう!
舞台となるガソリンスタンドでも、大泉洋、佐藤二郎というボケ・ボケコンビがいい味をだしている。

最初は完全にラブ・コメディー映画かと思っていた。
最初は・・・。

しかし次第に映画は色合いを深めてゆく。
志郎と乃里子の仲が深まった頃に現れる、乃里子の元カレの存在がまだ若いふたりの関係に影を落としてゆく・・・。


ストーリーとしては非常にわかりやすい、少年のひと冬の恋を描いた映画だ。
そこにグランマの思い出が重なり、物語は深みを増している。
夏木マリの演技がよい。
存在がよい。

いつしか映画はラブコメから、モノクロのチラシがぴったりとくるようなしっとりとした世界になっていた。
繊細で、そして初々しい恋愛。
美しい街並みの中で、こだわりの映像の中で、心に残る思い出を大切に紡いでいるように丁寧に、丁寧に描かれてゆくドラマ。


他愛の無い、ありきたりのストーリーかもしれない。
だが、そこには決して忘れ得ない大切な空気感があった。


主演二人の初々しい演技を見に行くのも良し。
夏木マリの存在感を確かめに良くも良し。
大泉洋と佐藤二郎のボケを楽しみに行くも良し。

そして、最終的にはこの映画の持つ「空気」に浸ることになるだろう。

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最初に言っておこう、この映画はオレにとってかなりヤバイ [Read More]

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