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2006年08月15日

●ウディ・アレン監督最新作「マッチポイント」感想

カンヌで披露されて以来「今年最高傑作」と呼び声の高い、ウディ・アレン監督最新作「マッチポイント」を見てきた。
ジョナサン・リース・メイヤース演じるクリス・ウィルトンを中心に描かれていく人間ドラマ。
ウディ・アレンといえばニューヨーク。
しかし、今回の舞台はイギリス上流階級−−

テニスは勝負を競うものではなくたしなみであり、クレイ射撃や乗馬、美術品集めやオペラ鑑賞の世界。
そこにはジャズやひねくれたジョークはなく、重厚でシリアスなサスペンスが展開されていく。

舞台はイギリス−−
元プロテニス・プレイヤーのクリスはツアー生活に限界を感じて引退。
テニスコーチの職に就きながらも、将来的には何か大きなことをやりたいと心に秘めていた。
そんな彼がたまたま教えたトム・ヒューイットという紳士はイギリスの大企業を経営する富豪の御曹司だった。

そんな彼に見込まれて、ヒューイット家との付き合いが始まる。
トムの妹のクロエはクリスに恋をし、クリスと付き合い始める。
クリスに父親の会社に入るように勧め、家族として迎え入れる準備が着々と進んでゆく。
大富豪一家に迎えられ、会社でも要職へ付き順風満帆なクリス。
しかし、たったひとつの出会いがその道を狂わす原因となった・・・。

それが、トムの婚約者のノラ・ライスとの出会いだった。
スカーレット・ヨハンソン演じるノラがあまりに美しすぎる!
あの美しさなら人生を狂わされるのも納得できる・・・。

クリスは富豪一家の仲間入りのためクロエと結婚するが、その裏ではノラ・ライスを忘れることはできなかった。
しかも、ノラはトムとの婚約を破棄されひとつ障害がなくなった!
企業の重役となったクリスだが、人生を完全に踏み外しつつ、妻のクロエの前では仮面を被った生活を続ける。

この映画のテーマは「運」との事です。
テニスで打ったボールがネットにあたって真上に跳ね上がった時、それがどちらへ転がるか・・・。
物事は全て努力や才能、計算ではなく「運」によってのみ作られる。

運さえよければ全てが正義
運さえよければ全てが勝ち組

とんとん拍子で出世し幸せを手に入れたかに見えるクリス。
彼は強運の持ち主だったと言えるだろう。
しかし、彼が強運である裏には罠がある。
それに気付きつつ抜け出せない。
その罠とは当然美しい女性である。

その美しさは心を狂わせるだけでなく、「運」さえも狂わせる。
抜け出せない深みにはまってしまう。
しかし、運で手に入れた上流階級の生き方と、ノラとの不倫。
どちらが幸せかと言われれば、どちらもNOなのだ。

最後、映画のマッチポイントでネットに当たった運はどちらへ転がるのか?

全ては「運」が左右する人生。
しかし、運を手に入れることイコール「幸せ」ではないようだ・・・。

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