« 『MAXX!!! 鳥人死闘編』試写会感想 | メイン | 「アキハバラ@DEEP」試写感想 »

2006年08月26日

●「青春☆金属バット」試写会感想

熊切和嘉監督最新作は、古泉智浩の漫画原作の「青春☆金属バット」。
熊切監督はPFFの「鬼畜大宴会」(ユーロスペースで見た。DVD持ってます!)から大好きな監督なので、かなり楽しみな一作。

「野狐禅」というバンドのボーカル、竹原ピストルが映画初主演。 他は巨乳の酒乱女役で坂井真紀、悪徳警官役で安藤政信。他にも熊切作品常連となっている寺島進などが脇を固めている。


モテないコンビニ店員でダメ男の難波(竹原ピストル)は、高校時代から野球に熱中しており、それを27歳になった今も忘れられない。
自称ベーブ・ルースの息子という謎の年寄りに「究極のスイング」というものを教えられ、未だにそれを目指して毎日素振りを繰り返す。

そんな難波の元へ転がり込んできた巨乳アル中女のエイコ(坂井真紀)と出会う。エイコと同棲をはじめる難波。エイコと生活することでコンビニのバイトすら徐々に行かなくなってしまい、社会から孤立してゆく。
そんな難波と高校時代同じ野球部でエースだったのが、今ややる気の無い平の警官になってしまった石岡(安藤政信)。難波は究極のスイングで彼の球を打って認めてもらうことを目標としていた・・・。

そんな感じの設定で進んでゆく映画だが、物語に軸がないかのようにユルりと進んでゆく。
フリーターでダメ男の難波が、将来がみえない人生に戸惑いつつも何もできず、ただただ日々を過ごしてゆく。そんな彼の生活に入り込んだエイコが彼の平坦な人生を振り回し、乱してゆく。
そんな彼女と共にあることが難波にとっては救いなのだった。

どこへ向かうかわからない。フリーターとしてすでに20代後半となったが、未だに高校時代の夢に引きずられ、時間が止まったままの難波。
一度何かで人生の頂点を迎えた人がその後の人生をどう生きるか、という大きなテーマがあるように思う。
その人生の頂点は他人にとっては他愛の無いものかもしれないが、当人にとっては大切なものなのだ。
僕もそういった人たちを沢山見てきたし、自分自身そう感じながら日々それにかわるもの探し求めつつ、一方では現実から逃れるために仕事に必要以上に熱中している。
探しても見つからない幻想を追い求めて、それでも生きていかなければいけない。
難波の場合それが高校時代であり、そこで時間が止まってしまっている。
その止まった時間を再び動かすためには、その続きを実行して自分なりのオチをつけることが必要だ。

ゆるりとした、まるで自主映画を見ているような映画の進行も納得がいく。
それがダルいと思う前、90分ほどでまとまっているのも良い。
笑える部分も多く、原作ファンにもはじめてみる人にも十分納得できる内容となっていると思う。

良いことが全く無い彼らの人生に一条の光が差すラストシーンには救われる。
人生ってそんなもんだよ!

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)