●ジブリ最新作「ゲド戦記」試写会感想
この夏スタジオジブリが送り出すファンタジー巨編「ゲド戦記」を試写会で見てきました。
「指輪物語」「ナルニア国物語」とならぶファンタジーの代名詞的作品の待望の映画化、とのことです。
自分は読んだことはなかったのですが。。。
監督は、宮崎駿の息子宮崎吾郎監督。
「第一回監督作品」とのことです。
全6巻の作品のうち、3巻目が今回の映画化の対象となっています。
「なぜ1巻じゃないの?3巻なの?」と思ってしまうのですが、3巻以外は映画化がかなり難しいらしいです。
4巻以降は1、2、3巻を踏まえての話らしいので、いきなりは無理。
2巻目は話が地味すぎて、宮崎Jrの監督デビュー作としてはちょっと・・・、というところらしいです。
1巻目は魔法の才能がある少年がその才能を生かして学校でライバルや友達たちと出会い、傲慢や挫折、竜と戦ったり、映画でも問題となった忍び寄る影の存在があったりと、かなりエンターテイメントとして良質の作品らしい!
なぜこれが今回映画化されなかったのか?
「魔法学校」とかだと、こっちの方が先だと言ったところでどうしても「ハリポタじゃん!」と言われてしまうから!
天下のジブリとしてはそれは受け入れられないところだろう。
と言うことで今回の映画。
主役はアランという王子。このアランは心の中に「影」が潜んでおり、それがたまに頭をもたげる。
その瞬間に、今までとは全く違う表情を見せ、狂気の戦いぶりをみせる。
何不自由ない生活をしていたはずの王子が突然狂気に走り、国を飛び出すことになる。
砂漠で出会ったのがハイタカと名乗る男。
真の名は「ゲド」という。
彼はアランにやさしくし、共に旅をするよう勧め、二人の旅が始まった。
「世界はおかしくなっている、人間の頭が変になっている」
街では人が売り買いされ、権力を笠にやりたい放題、裏路地では麻薬が売り買いされている・・・。
でも、それって今までの人間の歴史で見られたことで、別に特別の現象ではないのだが。
ゲドは「大賢者」と呼ばれる魔法使い。
いくつかの危機を魔法で救ってくれる。
そして、アランとゲドは、ゲドの知り合いのテナーの家へ留まることとなる。
テナーの家にはテルーという、顔に火傷のあとがある少女が住んでいる。
彼女はアランを最初嫌う。
その背後では、永遠の生命を求める魔法使いクモが、ハイタカへの復讐の機会を狙っていた。
アランの心に迫る影、永遠の生命、ハイタカとクモ。
様々な人間模様が交錯し、物語が展開してゆく。
何か郷愁を誘われる映像、雄大にして美しい音楽。
ジブリの新しい時代を背負ってゆくだけあって、完成度は非常に高い。
特に、物語中盤で少女テルーがひとりアカペラで歌を歌うシーンは思わずその世界に浸ってしまいます。
このシーンは映画のハイスポットとなっています。
最後のほうはスピード感のある戦いが展開され、意外なクライマックスが待っています。
世界がおかしくなっている。
そして、その原因は私たちの中にある影によるものである・・・。
そんなメッセージを伝える壮大なファンタジー。
見終わった後に原作を読みたくなる、そんな映画でした。
この作品単体では描ききれていない、もっと壮大なテーマが原作には秘められているそうです。