INDIES in TAMA Vol.17 レポート

INDIES in TAMA vol.17
beyond's presents 映像と音のLIVE--劇伴の実験



 回を重ねること17回、今回のINDIES in TAMAは、今年度初・久しぶりの学生制作作品の上映となった。今回スポットを当てたのは、東京・上野毛に舎を構える、多摩美術大学第二部制作の作品である。

第1部は、短篇3本の連続上映。
■『桃色クロス』監督:高橋愛
(2002年/DV・30分)
■『コダマゲーム』監督:冨田義之
(2001年/16ミリ・16分)
■『溺れる月』監督:趙理愛
(2002年/16ミリ・16分)
トップバッターとしての上映となった『桃色クロス』は、今年の第2回PJ映像祭のグランプリ受賞作品である。この上映会後も、京都をはじめ各地での上映が予定されているという。また、他2作に関しては、公での上映はかなりレア。TCFならではのラインナップであったといえるだろう。
桃色クロス

コダマゲーム
 第2部。ある意味、今回の企画の目玉ともいえる内容がまさに繰り広げられんとしている場内。観客は一様に首をかしげてしまうような舞台のセッティングである。これは上映会なのか。照明が落ちると、そこで始まったのは、総勢10名近くにものぼろうかという音楽隊の奏でる演奏であった。楽器編成すらよくわからないが眼前で奏でられている音は、まさに生音である。間もなくその後ろにはある映像が投影される。数分ごとに切り替わる映像に併せて、音楽のジャンルも次々に切り替えされる。「一体次はここで何が起きるのか?」今回のこの「劇伴」に使用された映像作品は全て新たに撮り下ろされた映像であり、今回演奏された楽曲は、その映像のために書き下ろされた、あるいは用意されたものという贅沢ぶりであった。普段見慣れたスクリーンからは純粋に映像のみ、音声はナマ、という、その空間、その瞬間でしか再現しえない、高い即興性に基づく「実験」。第1部のような通常の、作品として完成したものの上映には有得ない何かが、そこでは表現された。その場に居合わせた人々全員に対して、視覚と聴覚をフルに要求することとなった約60分となった。
イベント風景
しかし、今回はあくまで「実験」という名のある種冒険的な試みであったことは確か。こういった目新しい表現方法を今後も探り続ける彼らの動きに着目しつつ、さらなる発展形を心より期待したい。
次にお目にかかる時を楽しみに。
レポート:塚脇久美子