篠原哲雄/佐藤信介監督特集

11月24日 「篠原哲雄/佐藤信介監督特集」 (ベルブホール)

●Time Table●
11:30−12:30

12:50−14:05

14:25−15:25
15:40−17:00
17:20−18:40
19:00−20:22
寮内厳粛
月島狂奏
RUNNING HIGH
草の上の仕事
正門前行
YOUNG & FINE
トーク ゲスト:篠原哲雄×佐藤信介×武藤起一(映像環境プロデユーサー)
花椿の秘密
千話喧嘩
オールドタウンで恋をして

寮内厳粛
1994年/16mm/18分
 
監督=佐藤信介
 
[コメント]
 「過ぎてしまった時間の重みから逃げ出すには自分自身が軽くなること」 冬期構習を控えた予備校の学生寮を舞台に、プレッシャーに飽きた浪人生たちの、長くて短いいつもの一日を独特な空気感でさらりと描く。ささやかだけれど確かな予感と、そんな予感も結局は消え去っていくのだというような達観した部分とか混ざり合って、ひんやりとした冬の風に包まれた気分。市川準監督と版画家の山本容子さんの推薦で、PFFアワード'94グランプリ受賞。その時の佐藤監督のコメント、「こんな水のような映画に意外でした。」

月島狂騒
1994年/16mm/38分
 
監督=佐藤信介
 
[コメント]
 東京都中央区月島。ガンの疑いで父が入院。もしものことを考えると、遺産の行方はどこへ行くのだ? 検査の結果も出ないまま、一家の思惑はてんでばらばらに、花火の夜の月島を駆け抜ける。深みよりも軽さ、それも軽薄じやない軽さが気持ちいい。こつこつ作り上げて行くような職人感覚は、作品を重ねるごとに冴えを見せていて、40分の物語をこんなふうにさらっと描けるのは才能だなあと思うのですよ。

RUNNING HIGH
1989年/8mm/29分
 
監督=篠原哲雄
撮影=上野彰吾
 
[コメント]
 朝帰りのサラリーマン(=自転車泥棒)&不思議チック少女と、おまわりさんとのチャリンコカーチェイス! 「『ポストマンブルース』はこれのパクリか?」と思わせるほど、痛快無比、アドレナリン全開のmoving pictureだ!

草の上の仕事
1993年/16mm/42分
 
監督=篠原哲雄
撮影=上野彰吾
出演=後藤直樹、大田光
 
[コメント]
 真夏の原っぱ。草を刈っている二人の男。これだけでこの映画はもう充分に素敵じやないですか。実はいろいろ心得ているのにわざとつぼをはずしてるような、でも全然別の場所にもっと気持ちいいつぼを見つけちゃったような感覚。たぶんこの映画のスタッフさんたちはこの原っぱでお弁当をおいしく食べたんだろうななどとしょうもないことを思ってしまいました。

正門前行
1997年/16mm /60分
 
監督=佐藤信介
撮影=河津太郎
出演=内野勝就、伊藤聖子
 
[コメント]
 佐藤監督の作品はまるで優れた小劇場の舞台を観ている感覚にさせてくれる。なんの変哲もない素(=日常)の舞台で、なにげないセリフの積み重ねがだんだんと味わい深い、独特の空間を作っていく。ここでも卒業制作で逼迫しなければいけない美大生の主人公が、探偵よろしくある事件めいた出来事にのめりこんでいく。そののめり込んでいくさまが淡々と、かつ、軽妙に描かれている。ああ、あのなにもない美大周辺を散策してみたい、そんな気にさせる作品です。

YOUNG & FIN
1995年/VTR/80分
 
監督=篠原哲雄
撮影=上野彰吾
出演=斎藤陽一郎、宮川佐知子、中島ひろ子
 
[コメント]
 勝彦はちょっとスポーツが出来て、Hが大好きなどこにでもいる高校生。玲子ちゃんというガールフレンドともそれなりにうまくいっているが、そこへ謎めいた若い先生が赴任し、玲子ちゃんとの関係に微妙な影響が……。山本直樹原作の漫画をビデオ化したものは結構あるけれど、これは文句なくNo.1! Hシーンがいいのはもちろん、地方都市のなんかやるせない高校生の姿をその緑あふれる舞台を背景に、ちょっと空疎感を漂よわせる映像がなんとも切なく、しかし心地いい。やっぱ、篠原監督 & 上野カメラマンは「緑」の演出家だと再認識してしまった。

花椿の秘密
(TV東京ON AIR「恋、して。」より)
1997年/VTR/24分
 
監督=佐藤信介

千話喧嘩
(TV東京ON AIR「恋、して。」より)
1997年/VTR/24分
 
監督=佐藤信介
撮影=河津太郎
出演=粟田麗、橋野恵美
 
[コメント]
 犬も食わない痴話喧嘩。それも2カップルのそれとなったら、嗚咽もんだが、佐藤監督の手にかかったら、あら不思議。2カップル(=4人)の微妙にずれている意思疎通の模様が、なんでもないとある郊外の曲がり角をおのおのが行き来することで顕在化し、また、ある収束(元のさやに収まること)を予感させつつ、物語は終わる。それは犬も食わぬ話か? 田口トモロヲのなんとも間抜けなマスターぶりがおかしい。

オールドタウンで恋をして
(TV東京ON AIR「恋、して。」より)
1997年/VTR/24分
 
監督=篠原哲雄
撮影=上野彰吾
出演=小林麻子、千葉哲也
 
[コメント]
 町の不動産屋で物件を探すっていうのは、なんか日常の中の非日常的行為で、そのうえかわいい女性事務員と一緒に自転車で、なんてきた日にゃますますその非日常的世界が広がって……。(『死んでもいい』の観すぎ!)ここではそのかわいい不動産屋の女性の視点で、なんとも淡くはかない恋をさらっと、自転車に乗った心地よさそのままに観せてくれます。