第1部 ストリート・ミュージックの夢
第2部 NO MUSIC, NO TOWN -- 街に生きる音楽と人々 --

11月21日 (ベルブホール)

●Time Table●
第1部
10:30−11:57
12:15−14:01
14:15−14:45
第2部
15:30−17:05
17:15−18:29
18:40−20:00

ベンダ・ビリリ! 〜もう一つのキンシャサの奇跡〜
ペルシャ猫を誰も知らない
Skype中継によるバフマン・ゴバディ監督とのQ&A(予定)

SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム
ライブテープ
トーク&ライブ ゲスト:入江悠監督、B-hack、松江哲明監督、あだち麗三郎氏、吉田悠樹氏

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第1部 ストリート・ミュージックの夢

ベンダ・ビリリ! 〜もう一つのキンシャサの奇跡〜
BENDA BILILI!
2010年/フランス/ムヴィオラ、プランクトン配給/1時間27分
 
監督・記録・撮影・録音=ルノー・バレ、フローラン・ドラテュライ
編集=ジャンクリストフ・イム
音楽監督=キューバン・カベヤ
音楽=スタッフ・ベンダ・ビリリ
出演=スタッフ・ベンダ・ビリリ(リッキー[リーダー、ボーカル]、ココ[ボーカル、ギター]、ジュナナ[ボーカル、ダンス]、テオ[ボーカル、ギター]、ロジェ[サトンゲ、ボーカル]、ランディ[パーカッション]、カボセ[ボーカル]、カバリエ[ベース]、モンタナ[ドラム、ボーカル])
 
ベンダ・ビリリ! 〜もう一つのキンシャサの奇跡〜
 
[ストーリー]
 ヨーロッパなどで大旋風を巻き起こしているコンゴ出身のバンド、スタッフ・ベンダ・ビリリの5年間を記録したドキュメンタリー。首都キンシャサで路上生活を送っていた、身体障がい者と健常者の混成バンドのヨーロッパ公演までの軌跡を追う。2010年カンヌ国際映画祭<監督週間>部門オープニング作品。
 
[コメント]
 「ベンダ・ビリリ!」とはリンガラ語で「外側を剥ぎ取れ!」つまりは「内側を見よ!」という意味で、コンゴ民主共和国の首都キンシャサの路上で演奏する年齢層もバラバラの障がい者と健常者混成バンドの名前です。彼らの音楽は、武装勢力の脅威、暴行、人身売買、武器取引、略奪、腐敗した政治、自然災害が日常の環境で、それでも生き抜く人々のために生まれました。
 リッキーの美しいボーカル、ココの豊かなギター、ロジェの激しく物悲しいサトンゲの音色に「人の物を盗むな」、「赤ん坊にワクチンを与えてやるんだ」、「労働は生みの親だ」など実用的な歌詞が重なり、人々にとっては音楽的楽しみだけではなく、人生教訓としても多義的に響きます。
 アフリカのもっとも痛ましい街キンシャサの路上で、段ボールで眠るストリート・チルドレンや泥棒、娼婦、戦争難民、物乞い、障がい者のために生まれた強い希望の歌は、今や国境や人種の壁を越えて世界中の人の心を揺さぶります。(半)

ペルシャ猫を誰も知らない
KASI AZ GORBEHAYEH IRANI KHABAR NADAREH
2009年/イラン/ムヴィオラ配給/1時間46分
 
監督・脚本=バフマン・ゴバディ
脚本=ロクサナ・サべリ、ホセイン・アブケナール
出演=ネガル・シャガギ、アシュカン・クーシャンネジャード、ハメッド・ベーダード
 
ペルシャ猫を誰も知らない
 
[ストーリー]
 『亀も空を飛ぶ』などの作品で高い評価を受けたバフマン・ゴバディ監督がアンダーグラウンドミュージックを題材にゲリラ撮影という手法で撮った本作。音楽が厳しく規制されたテヘランでミュージシャンとして活動するネガルとアシュカンは自由のため国を出る決意をする。2009年カンヌ国際映画祭<ある視点>部門特別賞。
 
[コメント]
 抑圧された環境で育まれた音楽の豊かさに驚き、音楽に向ける情熱に胸が締め付けられた。本作の中心となったネガル(ネガル・シャガギ)とアシュカン(アシュカン・クーシャンネジャード)は役者ではなく本当のミュージシャンで、無許可ライブを行い当局に逮捕された経験があるという。国を出ると決断した2人を中心に、音楽のためなら何でもする、と言う便利屋のナデルや、同じように音楽を志す若者たちの姿を丹念に追ってゆく。
 ゴバディ監督のカメラは驚くほど誠実に、淡々と、しかし情熱を持ってテヘランの情景を捉えている。そうして撮られたテヘランの町並みは、美しくも生なましい。
 この映画の撮影後にゴバディ監督、そして主演の2人も国を出た。「シガー・ロスを見る」と夢を語った姿は、国も時代も関係なくどこにでもいる音楽が好きな若者のもので、テヘランは別世界ではなく私たちのいるこの場所と繋がっていることを教えてくれる。(橘)

●監督紹介
バフマン・ゴバディ監督(Bahman Ghobadi)

 イラン・イラク国境近くのバネーにクルド人として生まれる。初長編作『酔っぱらった馬の時間』(2000年)で、カンヌ国際映画祭でカメラドール受賞。続く2作目『わが故郷の歌』(02年)もカンヌで高い評価を得た。3作目となる『亀も空を飛ぶ』(04年)をイラク領クルド人自治区で撮影し、幾多の国際映画祭で数々の賞に輝いた。4作目の『Half Moon』は国境を越えようとする音楽家のロードムービー。5作目の『ペルシャ猫を誰も知らない』(09年)を最後にイランを離れ、現在、海外に居住。

第2部 NO MUSIC, NO TOWN

SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム
2010年/ティ・ジョイ配給/1時間35分
 
監督・脚本=入江悠
撮影=三村和弘
音楽=岩崎太整
出演=山田真歩、安藤サクラ、桜井ふみ、増田久美子、加藤真弓、駒木根隆介、水澤紳吾、岩松了
 
SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム
© 2010「SR2」CREW
 
[ストーリー]
 舞台は前作からさらに東京を離れた土地、群馬。主人公はラッパーになることを夢見た女子5人組(20代後半)。彼女らは"伝説のT.K.D(タケダ)先輩"のライブ跡地で女子ラッパーユニット"B-hack"の再結成ライブを実現しようとするのだが、問題が多発し……。
 
[コメント]
 主人公が男たちから女たちに変わった。ただ、それだけのことなのに、男どもと同じように、ただ、ライムをつむぎたいだけなのに、直面する問題はまるで違う。悔しさ、切なさの複雑な度合いは前作より増していた。さらに、俗世間的言葉で言えば"アラサー"になる彼女ら。ラッパーなど、はたから見れば“お遊び”にしか過ぎない。もっと言えば、こんな片田舎でラップもクソもあるものか、となるであろう。周りの目と夢との衝突は、今のリアルな20代後半(そして、片田舎の若者)の焦燥感を一層煽った。
 では、夢を諦めて周りに同化すれば良いのだろうか? 突出した行動は控えるべきなのだろうか?
 その答えは、彼女らが体現している。よくよく聞けば、ライムはダサい。カッコ悪い。でも、彼女らはこう答えるであろう。
 「知ってるよ、そんなことは自分でも。それが私らなんだから。」
 さあ、醜い自分をさらけ出して、みんなもライムをつむいでみよう。シュ、シュ、シューー。ラストシーンの彼女らのラップを聞けば、マイ・ソウルは熱くなるはず。(瑞)

ライブテープ
2009年/Tip Top製作/SPOTTED PRODUCTIONS配給/1時間14分
 
監督=松江哲明
撮影=近藤龍人
出演=前野健太、DAVID BOWIEたち(吉田悠樹、大久保日向、POP鈴木、あだち麗三郎)、長澤つぐみ
 
ライブテープ
© Tip Top 2009
 
[ストーリー]
 2009年元旦、吉祥寺。ミュージシャン・前野健太氏が、ギターを抱えて武蔵野八幡宮から商店街を抜けて井の頭公園まで歌い歩く姿を、74分1カットで捉えた作品。
 
[コメント]
 思春期の迷いを歌った「18の夏」の導入から、途中100年後や青春時代へとワープしつつ現在を生きる日常の機微を歌いながら商店街を練り歩いて、松江監督と前野氏が互いに歌と映画にかける思いを交わし、井の頭公園のステージでの熱のこもった「天気予報」、そして「東京の空」へ。
 最後の歌とともに映し出される夕暮れ時の公園の風景は、ある種のSF映画のようである。2009年元旦の吉祥寺における一人のミュージシャンのドキュメンタリーという極めて特殊な世界から遥かに時空を飛び越えたその風景。
 一つの大きな空の下では、みんなそれぞれの人生が繰り広げられている。それは「当たり前に奇跡的な毎日」(本作では歌われなかった「熱海」より)の風景である。ごく普通に思えた日もそれはその日一日しかない奇跡的な一日である。
 松江監督と前野氏、その他出演者とスタッフたちが起こした、映画と音楽の「奇跡」。虚構と現実との間の淡さのなかに、観客は奇跡的な毎日の愛おしさを見いだすことだろう。そして、きっとその愛は勇気に変わり、観客それぞれの物語が始まる。(佐友)

●ゲストの紹介
入江 悠監督(Irie Yu)

 1979年神奈川県生まれ、埼玉県育ち。日本大学芸術学部卒業。『SRサイタマノラッパー』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭グランプリ、プチョン(韓国)国際ファンタスティック映画祭アジア映画最高賞、第50回日本映画監督協会新人賞受賞。第2弾『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』が全国でロングラン上映中。
 
B-hack

 『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』で描かれる女性ラッパーユニット。山田真歩、安藤サクラ、桜井ふみ、増田久美子、加藤真弓の5名で構成される。
 
松江 哲明監督(Matsue Tetsuaki)

 1977年生まれ、東京都出身。99年日本映画学校制作として『あんにょんキムチ』を監督。国内外の映画祭に参加し、山形国際映画祭アジア千波万波特別賞、NETPACT特別賞、平成12年度文化庁優秀映画賞などを受賞。『童貞。をプロデュース』(07年)『あんにょん由美香』(09年)が相次いで大ヒットを記録。『ライブテープ』(09年)は第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門作品賞を受賞。著書に「セルフ・ドキュメンタリー」(10年)などがある。また、最近はNHKドラマ「時々迷々」の脚本も手がけた。
 
あだち 麗三郎氏(Adachi Reisaburo)

 1983年生まれ。o○☆* +゜:。*゜+俺はこんなもんじゃない、タラチネ、前野健太、group_inouなど数々のバンドやサポートを経て、2009年「風のうたが聴こえるかい?」でソロデ ビュー♪♪音楽の域を突き抜けてしまったフリーフォークは、clammbon mito氏に「ダントツに鬼才!!」と大絶賛される(笑)。同時にMagical Doughnut Records主催し、プロデューサーとしても鬼才ぶりを発揮(笑)、アルバム数枚リリースしている。という運のいい人です(笑)。
 
吉田 悠樹氏(Yoshida Yuki)

 1982年東京生まれ。2001年の夏に「寿町フリーコンサート」に触発され二胡による演奏を始める。前野健太とは02年に高円寺無力無善寺で出会い、共に演奏するようになる。現在は「前野健太とDAVID BOWIEたち」の他に「NRQ」「カナリア」「ツィゴイネル曲芸楽団」などのバンドを中心に活動中。10年2月にNRQの1stアルバム「オールド・ゴースト・タウン」をリリース。また11月後半にはロンドンでの『ライブテープ』上映に伴い、現地で前野健太と共にライブを敢行予定。
 
司会:岩崎 太整氏(Iwasaki Taisei)

 

◆主催・お問合せ◆

   TAMA映画フォーラム実行委員会 / 公益財団法人多摩市文化振興財団

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