アジアから見た日本

11月27日 「アジアから見た日本」 (やまばとホール)

風の輝く朝に
等待黎明
1984年/香港
 
監督=レオン・ポーチー
脚本=チェン・カンチャン
撮影=ブライアン・ライ
出演=チョウ・ユンファ、アレックス・マン、イップ・トン
 
[コメント]
 日本侵攻に揺れる'41年の香港が舞台の愛と友情の物語。香港の人気No.1のスターで日本でも人気急上昇中のチョウ・ユンファがフェイを演ずる。硬派でどこか不器用な彼が思いを寄せるナンは、友人カンの恋人。香港陥落による無政府状態の中、ナンにカンに危機が迫まる! 日増しに強まる日本軍の勢力、“親日分子”を装うフェイ。彼らは三たび内地(中国本土)へ密航を企てるが、行く手に日本軍の船が現れて…‥。

族譜
1978年/韓国
 
監督=イム・グォンテク
脚本=ハン・ウンサ
撮影=イ・ソッキ
出演=チュ・ソンテ、ハ・ミョンジュン、ハン・ヘスク
 
[コメント]
 植民地時代の朝鮮で育った日本の作家梶山季之の小説の映画化。朝鮮民族は祖先崇拝の念があつい。先祖代々の家系図を族譜として家の何よりの宝としている。第二次大戦中、日本が朝鮮人に強制した創氏改名の懇劇を描いた。当時ある地方の両班の当主が先祖代々の姓とは違う日本ふうに改姓することを拒んだため、総督府や憲兵隊から種々迫害を受けるが、あくまで拒否し続け、ついには自殺したという実話にもとづいている。

ー人と八人
一個和八個
1984年/中国
 
監督=チャン・チュンチャオ
脚本=チャン・ツーリャン & ワン・チーチェン
撮影=チャン・イーモウ
出演=タオ・ツアール、チェン・ダオミン、ルー・シャオヤン
 
[コメント]
 中国ニューウェイブ史上最初に作られた作品として記念すべき傑作。
 特に崇高なまでに張りつめた緊張感が最後まで続く見事な映像は、観る者を圧倒せずにはいられない力強さに満ちている。
 脚本に「黄色い大地」のチャン・ツーリャン、撮影が「紅いコーリャン」のチャン・イーモウ等ニューウェイブ初期ならではの充実したスタッフが脇を固めている。「黄色い大地」と共に80年代中国映画を代表する1本。

伽椰子のために
1984年/日本
 
監督=小栗康平
脚本=太田省吾、小栗康平
損影=安藤庄平
出演=呉昇一、南果歩、浜村純
 
[コメント]
 1958年の夏、イム・サンジュンは、父の親友、ジョン・スンチュンの娘伽椰子という高校生と出会う。貧しい東京での下宿生活の中で、在日朝鮮人二世の存在矛盾と格闘しながら、いつしか伽椰子のことを思い出す。翌年、早春の北海道で、二人はたがいの心を通わせた。その秋、伽椰子は突然家出して、東京での二人の夢のような生活が始まった。李恢成原作の映画化。

悲情城市
1989年/台湾
 
監督=ホウ・シャオシェン
脚本=ウー・ニエンジェン、ジュー・ティエンウェン
撮影=チェン・ホアイエン
出演=リ一・ティエンルー、チェン・ソンヨン、トニー・レオン
 
[コメント]
 '45年日本の敗戦による解放の日から49年に大陸を追われた国民党政府が台北を臨時首都と定めた日までの激動の4年間を本省人の林阿禄と4人の息子達の姿をとおして描いた一大叙事詩。全編の重点は台湾が日本の統治から如何に国民党の統治に変わって行くかにあるが、冷静なタッチであからさまな主張はほとんど表面に出ず、複雑な思いが中国、台湾、日本のイメージのなかでいつもこだましている。整った「台湾史」である。