愛が翔ける

12月1日 「愛が翔ける」 (やまばとホール)

黒い瞳
OCI CIORNIE
1987年/イタリア
 
監督=ニキータ・ミハルコフ
脚本=アレクサンドル・アダバシャン、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、ニキータ・ミハルコフ
撮影=フランコ・ディ・ジャコモ
出演=マルチェロ・マストロヤンニ、シルバーナ・マンガーノ、マルト・ケラー
 
[コメント]
 平凡な人々の日常の行為を通して、人間のおかしさ、愚かしさ、無意味さを描き続けたチェーホフの短篇「小犬を連れた奥さん」を中心に、男の弱さや愛のはかなさを見事に映像化した。この作品で、マルチェロ・マストロヤンニが意志薄弱な中年男の悲しさ、愚かしさを、陰惨にではなく、陽気にかろやかに演じ、得難い芸域を開いた。('87年カンヌ国際映画祭の最優秀主演男優賞)フランシス・レイの音楽が作品の抒情性をいやが上にも高めている。

スプレンドーレ
SPLENDOR
1989年/伊・仏合作
 
監督・脚本=エットーレ・スコラ
撮影=ルチャーノ・トヴォ−リ
出演=マルチェロ・マストロヤンニ、マリナ・ヴラデイ、マッシモ・卜ロイージ
 
[コメント]
 「あんなに愛しあったのに」で知られるイタリアの名監督エットーレ・スコラの最新作それが「スプレンドール」である。建てられてから半世紀を誇る映画館・スプレンドール座を舞台に3人の男女が織りなす愛の物語。
 この映画の見どころはスプレンドール座でかかる名画の数々。「野いちご」に始まり「アメリカの夜」「素晴らしき哉、人生!」「アマルコルド」…etc。星の数ほどの名作があなたを映画の魔法の世界へと誘う。

愛と哀しみの旅路
COME SEE THE PARADISE
1990年/アメリカ
 
監督・脚本=アラン・バーカー
撮影=マイケル・セレシン
出演=デニス・クェイド、タムリン・トミタ、サブ・シモノ
 
[コメント]
 '42年2月19日発効の大統領令9066により、西海岸に居住する日系11万人は強制収容される。それはアメリ力自身の手によるアメリカン・ドリームの崩壊であった。"ミシシッピー・バーニング"で60年代公民権運動を題材にしたアラン・パーカーの最新作。「私は日本人になることはできません。しかし、これ以上愛せないほどリリーを愛しでいます」のジャックのセリフに、国籍・人種をこえた一筋の光がある。