第1部 ヨーロッパ映画特集
第2部 「作家・伊坂幸太郎」特集

11月23日 (パルテノン多摩小ホール)

●Time Table●
第1部
10:30−12:05
12:30−14:12
第2部
15:00−16:52
16:52−17:15
17:30−19:29

湖のほとりで
夏時間の庭

フィッシュストーリー
ティーチ・イン ゲスト:高良健吾氏
重力ピエロ

チケット購入-> @電子チケットぴあ(第1部第2部) / ローソンチケット(Lコード: 31907/31908) / その他

| プログラム一覧 | プログラム日程 |

湖のほとりで
La Ragazza Del Lago
2007年/イタリア/アルシネテラン配給/1時間35分
 
監督=アンドレア・モライヨーリ
脚本=サンドロ・ペトラーリア
原作=カリン・フォッスム
撮影=ラミロ・チビタ
音楽=テオ・トラルド
出演=トニ・セルヴィッロ、ヴァレリア・ゴリーノ、オメロ・アントヌッティ、ファブリツィオ・ジフーニ、アンナ・ボナイウート、アレッシア・ピオヴァン
 
湖のほとりで
© 2007 INDIGO FILMS
 
[ストーリー]
 北イタリアのとある小さな村にある湖のほとりで、少女アンナ(A・ピオヴァン)の死体が発見された。争った形跡はなく、犯行はアンナと親しい者と考えた刑事サンツィオ(T・セルヴィッロ)は村人たちに聴きこみを始める。アンナは誰によって殺されたのか。そして、なぜ彼女は争うことなく死を受け入れたのか。次第に明らかになる人々の交錯した想い。はたして事件の真相は……。
 
[コメント]
 イタリアのアカデミー賞といわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で史上最多10部門を独占した話題作。ノルウェー出身のミステリー作家カリン・フォッスムの「見知らぬ男の視線」を原作として、舞台を北イタリアに置き換えた。日本においてもロングラン上映と、広く受け入れられているようだ。
 小さな村にある湖のほとりで、横たえられた少女の全裸死体が発見されて事件が発覚する。住民同士で隠し事もできないくらい小さなコミュニティのなかで複雑に交差する人間関係、感情のもつれの先にある事件の真相が、刑事らの捜査によって徐々に明らかになる。
 ここで結末について触れることはできないが、謎解きだけではない奥深さのある作品だと思う。人々のやりとりが緻密に描かれ、音楽が印象的に用いられている。イタリア北部の山々の自然も美しい。そして最後に事件の真相を知らされたとき、まるで全身が包み込まれるような温かさを感じ、心が洗われた。(渉)

夏時間の庭
L'heure d'ete
2008年/フランス/クレストインターナショナル配給/1時間42分
 
監督・脚本=オリヴィエ・アサイヤス
撮影=エリック・ゴーティエ
録音=ニコラ・カンタン、オリヴィエ・ゴワナール
美術=フランソワ・ルノー・ラバルト
出演=ジュリエット・ビノシュ、シャルル・ベルリング、ジェレミー・レニエ、エディット・スコブ、ドミニク・レイモン
 
夏時間の庭
© 2008 MK2 SA-France 3 Cinema
 
[ストーリー]
 パリ郊外の邸宅に家族が久々に集まり誕生日を祝った夏の日、母エレーヌ(E・スコブ)は自分が死んだら家も美術品コレクションもすべて処分するよう長男フレデリック(C・ベルリング)に遺言する。1年後母が急逝すると、それを手放すことをためらうフレデリックだったが、海外に居住する長女アドリエンヌ(J・ビノシュ)と次男ジェレミー(J・レニエ)の事情や、莫大な相続税という現実問題に直面する。
 
[コメント]
 オリヴィエ・アサイヤス監督の作品に最初に出会ったのは16年ほど前、今は無きシネヴィヴァン六本木で『パリ・セヴェイユ』を観たときだ。当時の私には正直よくわからなかったが、今思えば監督の若さが感じられた作品だった。
 その数年後「カイエ・デュ・シネマ」に載っていた『冷たい水』の記事を読んでどうしても観たくなり、日仏学院の上映に行ったのが次のアサイヤス体験。炎とヴィルジニー・ルドワイヤンの刹那的な表情はいつまでも脳裏に焼きついていた。もっとこの監督の映画が観たい、と思った。
 それから長い年月が流れて今年3本ものアサイヤス映画が公開された。ライブ・ドキュメンタリー『NOISE』、元妻マギー・チャン主演の『Clean』、そして本作。見事にタイプの違う3本だ。この作品の紹介を読んで、随分「大人向けの映画」を撮るようになったものだと時の流れを感じたが、そこに流れるスピリットは今までと同じものだった。
 変わりゆく時代の流れを止めることはできないけれど、それでも失われない大事なものがあるーー故郷フランスで久々に映画を撮った監督が実感した思いかもしれない。(黒)

フィッシュストーリー
2009年/「フィッシュストーリー」製作委員会製作/ショウゲート配給/1時間52分
 
監督=中村義洋
原作=伊坂幸太郎
脚本=林民夫
撮影=小松高志
音楽=斉藤和義
出演=伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田岳、森山未來、大森南朋
 
フィッシュストーリー
© 2009「フィッシュストーリー」製作委員会
 
[ストーリー]
 2012年、地球への彗星の衝突まで数時間と迫ったなか、とあるレコード店では「FISH STORY」が流れている。2009年、修学旅行中の女子高生はシージャックに巻き込まれる。1982年、気弱な大学生はカーステレオから「FISH STORY」を聞いている。1975年、パンクバンド逆鱗は最後の曲「FISH STORY」のレコーディングをしている……。
 小さな連鎖が紡ぐ爽快な“ほら話<フィッシュストーリー>”。
 
[コメント]
 ここ数年、伊坂幸太郎氏原作の作品が多数映画化されている。伊坂氏の作品はその独特の世界観の構成が見事であり、また映画的であることがその理由のひとつではないだろうか。
 物語は、フィッシュストーリーが意味するがごとく、飲み屋でのバカ話が積み重なったようであるが、伊坂氏と中村監督の手にかかると、一見関連のなさそうなエピソードが最後に見事に繋がって行く。
 出演者も、逆鱗のメンバーを演じた伊藤淳史、高良健吾や「正義の味方」森山未來、『アヒルと鴨のコインロッカー』に続いての濱田岳、地球を救う(!?)多部未華子、そして2役を演じる大森南朋と芸達者な出演者がストーリーを盛り上げている。
 映画祭でこの作品を上映することも、きっと世の中の多くの<フィッシュストーリー>を紡ぎだしていると思いたい。(よ)

重力ピエロ
2009年/「重力ピエロ」製作委員会製作/アスミック・エース配給/1時間59分
 
監督=森淳一
原作=伊坂幸太郎
脚本=相沢友子
撮影=林淳一郎
音楽=渡辺善太郎
出演=加瀬亮、岡田将生、小日向文世、吉高由里子、岡田義徳、渡部篤郎、鈴木京香
 
重力ピエロ
© 2009『重力ピエロ』製作委員会
 
[ストーリー]
 遺伝子を研究する大学院生・泉水(加瀬)と芸術的な才能を持つ2つ年下の弟・春(岡田)は、仲の良い普通の兄弟だ。優しい父(小日向)と三人で、平穏に、そして陽気に暮らしている。だが、この家族には春の出生に関わる哀しい<過去>があった。その原因をもたらした<ある男>が街に戻ってきた。そして、時を同じくして不審な連続放火事件が発生する。その現場には謎めいたグラフィックアートが残されていた……。
 
[コメント]
 伊坂幸太郎の大ベストセラーであり、原作ファンはこの映画の公開を心待ちにしていただろう。
 物語の主人公である兄弟には、兄役に『オリヲン座からの招待状』や『それでもボクはやってない』の加瀬亮、弟役に『ハルフウェイ』、『ホノカアボーイ』の岡田将生と、近年大注目の二人。そして父親役に小日向文世、母親役に鈴木京香と、その他にも豪華キャストが脇を固めている。
 兄と弟、兄弟と父、そして母。この物語は、<家族愛>がひとつのテーマとして取り上げられており、現在と過去が度々リンクする。この一つひとつのエピソードに対する伏線が意味深で、物語が進むにつれて何か<嫌な予感>を感じるかもしれない。
 物語の真相は、重苦しくて複雑に絡まった運命と、純粋な家族の絆が鍵となる。
 原作ファンは勿論のこと、この映画を観た人たちはきっと、伊坂幸太郎の世界へと惹きこまれてしまうだろう。今後も伊坂幸太郎原作の映画化を楽しみにしたい。(安も)

●ゲストの紹介
高良 健吾氏(Kora Kengo)

 高良 健吾氏のプロフィールは、「こちら」をご覧ください。

◆主催・お問合せ◆

   TAMA映画フォーラム実行委員会 / 財団法人多摩市文化振興財団

   〒206-0025
   多摩市永山1-5
   多摩市立永山公民館内
   事務局 TEL 080-5450-7204(直通)
   TEL: 042-337-6661 FAX: 042-337-6003