音楽映画特集

11月30日 「音楽映画特集」 (パルテノン多摩小ホール)

●Time Table●
11:30−13:46
14:20−16:31
16:45−18:12
アイム・ノット・ゼア(PG12)
アクロス・ザ・ユニバース
ONCE ダブリンの街角で

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アイム・ノット・ゼア
I’M NOT THERE
2007年/アメリカ/日活配給/2時間15分
 
監督・脚本=トッド・ヘインズ
脚本=オーレン・ムヴァーマン
撮影=エドワード・ラックマン
編集=ジェイ・ラヴィノウィッツ
出演=ケイト・ブランシェット、リチャード・ギア、クリスチャン・ベイル、ヒース・レジャー、マーカス・カール・フランクリン、ベン・ウィショー
 
アイム・ノット・ゼア
© 2007 VIP Medienfonds 4 GmbH & Co.KG/All photos - Jonathan Wenk
 
[ストーリー]
 詩人ランボーのような才能を見せるアルチュール(B・ウィショー)。プロテストフォークに決別しゴスペルを歌うジョン(C・ベイル)。フランス人女性クレアと恋に落ちやがてすれ違う映画スター・ロビー(H・レジャー)。フォークを捨て「ユダ」と罵られ、ロックとドラックに溺れるジュード(C・ブランシェット)。田舎町に隠れ住みながらも、体制に反抗してまた飛び出していくビリー(R・ギア)。ギターケースを抱え放浪するウディ(M・C・フランクリン)。やがて彼らの物語は1つに結び付き……。
 
[コメント]
 ボブ・ディランを題材にした映画ということで、音楽ファンの間では昨年から話題になっていた作品で、監督がトッド・ヘインズ(『ベルベット・ゴールドマイン』『エデンより彼方に』)ということで映画ファンも巻き込んでの盛り上がりをみせるかと思いきや意外と静かなブームで終わり、単館系華やかしき90年代の渋谷と較べると少々淋しい気もする。
 で、本題の内容だが、ボブ・ディランを6人の俳優が演じ分けるというのも好みが分かれると思うが、個人的にはケイト・ブランシェットが素晴らしくそこは文句なし。とはいえ、肝心な音楽があまりに良いので映像がちょっと負けているかなという気もする。 (舟)

アクロス・ザ・ユニバース
Across the Universe
2007年/アメリカ/東北新社配給/2時間11分
 
監督・原案=ジュリー・テイモア
撮影=ブリュノ・デルボネル
音楽=エリオット・ゴールデンサール、ティース・ゴール
振付=ダニエル・エズラロー
出演=エヴァン・レイチェル・ウッド、ジム・スタージェス、ジョー・アンダーソン
 
アクロス・ザ・ユニバース
© 2007 Revolution Studios Distribution Company,LLC. All Rights Reserved.
 
[ストーリー]
 ジュード(J・スタージェス)は、まだ見ぬ米兵だった父を探してアメリカへ渡り父と会う。そこで出会った学生のマックス(J・アンダーソン)と意気投合し、ニューヨークへ。個性的なルームメイトと新たな生活を始める。が、ときはベトナム戦争の最中。マックスは戦場へ。ニューヨークで反戦活動にのめり込んでいくマックスの妹ルーシー(E・レイチェル・ウッド)とジュードの間にすれ違いも生じて……。
 
[コメント]
 音楽・身体表現と映像表現の見事なまでの融合。大ヒットミュージカル「ライオンキング」などで有名なジュリー・テイモアが、今度はミュージカル映画史に新たな1ページを刻んだ。歌声については撮影時に役者が歌ったそのままを採用。自然な語りかけとリズミカルな振付、映像加工やカット割りによる表現……。いつの間にか私たちは引き込まれ、60年代そしてビートルズの世界にトリップする。
 決して受身でなく、積極的に楽曲に“関与”して、物語として構成していることが伝わってくる。しかも、それは日本語訳字幕にも表れている。ビートルズの再提示を受けているようで新鮮である。
 すべてのひとに観て感じてもらいたいが、とくにビートルズ・ファンにはたまらない作品だ。楽曲のみならず、会話の各所にビートルズの歌詞が散りばめられている。ボノ(U2)演じるDr.ロバートをはじめ、セディ、プルーデンス、ジョジョなど、個性溢れる面々も登場する。 (渉)

ONCE ダブリンの街角で
ONCE
2006年/アイルランド/ショウゲート配給/1時間27分
 
監督・脚本=ジョン・カーニー
撮影=ティム・フレミング
美術=タマラ・コンボイ
出演=グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ
 
ONCE ダブリンの街角で
© 2007 Samson Films Ltd. and Summit Entertainment N.V.
 
[ストーリー]
 アイルランドの首都ダブリン。今日もグラフトン通りはストリートミュージシャンたちの演奏であふれている。そんななか人々の足を止めるためにヒット曲ばかりを演奏するアイリッシュの彼(G・ハンサード)。ある日、そんな彼に路上で花を売っているチェコ移民の彼女(M・イルグロヴァ)が声をかける。「なぜ、夜のように自分の曲をひかないのか。」と。
 
[コメント]
 オリジナルの曲を作り続けながら、もう一歩を踏み出せずにいる優柔不断な彼。生活に追われ楽器店のピアノを弾くことをささやかな楽しみにする彼女。監督ジョン・カーニーは、その点と点が音楽という線で緩やかに繋がるさまをダブリンの街並みを背景に描いた。
 主演のグレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァは、ミュージシャンであり、作中の演奏シーンの迫力はいわずもがな。プロの俳優ではない彼らを即興的に撮ったシーンもいくつかあり、一見ドキュメンタリーのような自然な会話が大きな魅力になっている。
 低予算ながら、監督、スタッフ、キャストが、映画を愛し、音楽を愛し生まれたこの作品は、確実に人々の心に響き、2008年のアカデミー賞ではオリジナル歌曲賞を受賞した。温かい余韻を残すラストが素晴らしい。最後に、タイトルのONCEに込められた意味があなたにもきっと伝わるはず! (麻)

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