環境映画特集

11月23日 「環境映画特集」 (ベルブホール)

●Time Table●
13:00−14:52
15:10−16:46
17:00−17:40
ダーウィンの悪夢
不都合な真実
トーク 山岸尚之氏(WWFジャパン気候変動プログラムリーダー)

チケット購入-> @電子チケットぴあ / ローソンチケット(Lコード: 36580) / その他

| プログラム一覧 | プログラム日程 |

ダーウィンの悪夢
DARWIN’S NIGHTMARE
2004年/フランス、オーストリア、ベルギー/ビターズ・エンド配給/1時間47分
 
監督・撮影=フーベルト・ザウパー
 
ダーウィンの悪夢
 
[ストーリー]
 ビクトリア湖は生物多様性の宝庫であることから「ダーウィンの箱庭」と呼ばれていた。しかし、何者かが本来ビクトリア湖には生息しないナイルパーチという魚を放流したことによって生態系のバランスは崩れてしまう。ナイルパーチは増加し湖畔には一大魚産業が発達するが……。
 
[コメント]
 「このドキュメンタリーは環境映画ではなく生態系悪化から巻き起こった問題を私たちに見せ付ける。貧困、武器輸送、性病の蔓延、ストリートチルドレン、売春……ダーウィンは生態系の適者生存を人間社会にもあてはめたことがあるのだろうか。
 作中ではビクトリア湖周辺の人物がインタビューを受ける。当然、彼らはこの問題を私たちと違う視点で捉えている。彼らは当事者であるのに、映画でこの問題を知った私たちと違ってナイルパーチを俯瞰的に考えることができない。なぜかそれが一番悔しい気がした。
 私たちにはどうしようもできないのか。ナイルパーチという白身魚を食べるのをやめても、魚産業が無くなることで彼らは元のつらい農業に戻り、ビクトリア湖の生態系は悪化の一途をたどるだろう。
 ヨーロッパから来た飛行機のパイロットたちに囲まれるなか、笑顔で歌う売春婦が最も印象的に感じた。 (高)

不都合な真実
An Inconvenient Truth
2006年/アメリカ/UIP配給/1時間36分
 
監督=デイビス・グッゲンハイム
音楽=マイケル・ブルック
出演=アル・ゴア
 
不都合な真実
 
[ストーリー]
 アメリカ元副大統領アル・ゴア氏が学生のころから関心を寄せている「地球温暖化現象」をスライド講演という方法で世界中に紹介していくドキュメンタリー。彼の生い立ちとともにアル・ゴア氏の環境破壊に寄せる思いと人類の危機的状況をわかりやすく紹介していく。
 
[コメント]
 アル・ゴアのプレゼンテーションの上手さはさすが元副大統領というところ。冗談を交えたステージ上でのスライド講演も見所のひとつだ。また、グリーンランドの氷河が溶けるシーンや乾燥した草地など環境破壊が進んだシーンなどをありありと見せてくれる。
 パラマウントはこの映画を「見る者を恐怖に陥れる問題作」としている。つまり事実を切り取って観客に伝えるドキュメンタリーではなく、製作者側の意図が色濃く表現された映画ということだ。そして『不都合な真実』と地球温暖化現象について政治的な側面や科学的な実証などに対する懐疑的な意見もある。ただ、地球の平均気温が上昇するという事実、そしてそれに伴うさまざまな問題が起きるということを目をそらさずにに見るべきだと思う。『不都合な真実』のヒット、アル・ゴア氏のノーベル平和賞受賞は地球温暖化対策への追い風となるのだろうか。 (高)

●ゲストの紹介
山岸 尚之 氏(Yamagishi Naoyuki)

 1978年生まれ。97年に立命館大学国際関係学部入学。同年に地球温暖化防止京都会議(COP3)が開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業。9月よりアメリカ、マサチューセッツ州、ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。03年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連会議での情報収集・ロビー活動などを担当。07年より気候変動プログラムリーダー。著作に「地球環境問題解決のための国際協調」(第5章)、『平和学をはじめる』がある。

◆主催・お問合せ◆

   TAMA映画フォーラム実行委員会 / 財団法人多摩市文化振興財団

   〒206-0025
   多摩市永山1-5
   多摩市立永山公民館内
   事務局 TEL 080-5450-7204(直通)
   TEL: 042-337-6661 FAX: 042-337-6003