アクション&スペクタクル

11月26日 「アクション&スペクタクル」 (パルテノン多摩大ホール)

●Time Table●
11:00−12:54
13:50−16:11
16:30−18:34
18:55−21:20
宇宙戦争
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
妖怪大戦争
キングダム・オブ・ヘブン

宇宙戦争
War of The Worlds
2005年/アメリカ/UIP配給/
 
監督=スティーブン・スピルバーグ
原作=H.G.ウェルズ
撮影=ヤヌス・カミンスキー
音楽=ジョン・ウィリアムス
出演=トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ミランダ・オットー、ティム・ロビンス
 
宇宙戦争
UIP映画提供
 
[ストーリー]
 アメリカ東部の町に異変は前触れもなく起こった。激しい落雷が起き、落雷地点が脈打つように震動しはじめ突如、地中深くから巨大な三本足の“物体”が姿を現し、人間を手当たり次第に抹殺し始めたのだ。
 主人公レイ(T・クルーズ)は、別れた妻から預かった息子と娘、ロビーとレイチェルを連れて町を脱出。安全な場所を探して車を走らせるが……。
 
[コメント]
 H.GウェルズのSF古典「宇宙戦争」の映画化。原作や1953年製作の『宇宙戦争』(オーソン・ウェルズのラジオドラマに対しても?)への敬意が感じられSFファンならニヤリとさせられるはず。『プライベート・ライアン』の製作を経験した後の『激突』や『ジョーズ』といったパニック映画の趣の作品。各所で言われている通り、「9.11以降のアメリカ」へのあからさまな言及もあり。しかしティム・ロビンスとの地下室のシーンなどを観るとスピルバーグはリベラルというよりリバタリアンに近いのかも? (松)

スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐
Star Wars: Episode III Revenge of The Sith
2005年/アメリカ/20世紀フォックス配給/2時間21分
 
監督・製作総指揮・原作・脚本=ジョージ・ルーカス
脚本=ジョナサン・ヘイルズ
撮影=デイヴィッド・タッターソル
音楽=ジョン・ウィリアムズ
出演=ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、サミュエル・L・ジャクソン
 
スター・ウォーズ エピソード3
© Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.
 
[ストーリー]
 アナキン(H・クリステンセン)とパドメ(N・ポートマン)の極秘結婚から3年後、分離主義者の勢力は拡大し、共和国を脅かす存在となっていた。シスの暗黒卿ダース・シディアスは銀河系の支配を成功させるため、邪魔となるジェダイの騎士殲滅の策略を巡らすとともに、アナキンの高い能力に着目。パドメを失う夢を見たアナキンの恐怖心に付け入り暗黒面に引き込もうと試みる。一方、ジェダイの騎士たちは共和国元老院パルパティーン最高議長の動向に不安を覚え、アナキンをスパイとして送り込むとともに、分離主義者への攻撃を試みるが……。
 
[コメント]
 1978年(日本公開時)、大学生の時にエピソードIVを見て以来25年以上が過ぎ、ようやくその時に繋がる作品を観ることができた。かつては全9作として始まった物語も、残念ながらこれで終わり。ルーカスにはもっと頑張って作って欲しかった。
 アナキンがダースベーダーへ至る道のり、ルークとレイア誕生の瞬間、ジェダイの騎士の離散など細切れ感は否めないがすべて語られる。また、ヨーダがかっこいい。
 是非、前5作をDVDで復習して、先入観なしで楽しもう。 (上)

妖怪大戦争
2005年/『妖怪大戦争』製作委員会製作/松竹配給/2時間4分
 
監督・脚本=三池崇史
脚本=沢村光彦、板倉剛彦
プロデュースチーム「怪」=水木しげる・荒俣宏・京極夏彦・宮部みゆき
撮影=山本英夫
音楽=遠藤浩二
出演=神木隆之介、宮迫博之、近藤正臣、菅原文太、豊川悦司、竹中直人、忌野清志郎
 
妖怪大戦争
© 2005「妖怪大戦争」製作委員会
 
[ストーリー]
 両親の離婚により、母親と祖父と共に母の故郷・鳥取で暮らす弱虫の少年タダシ(神木)。ひょんなことから、世界に平和をもたらす正義の味方“麒麟送子”に選ばれたタダシは、人類滅亡を目論む古代先住民族の怨念が蘇った魔人・加藤保憲(豊川)を阻止すべく、日本古来の妖怪たちと共に、悪霊軍団に戦いを挑む、愛と平和の大冒険ファンタジー。
 
[コメント]
 1960年代に空前の妖怪ブームを巻き起こした、大映の“妖怪シリーズ”の第2弾『妖怪大戦争』(68年)を、大胆にリメイク。この映画の原案に参加したのが、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で世界妖怪協会会長の水木しげると、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきという妖怪を愛する作家陣により結成されたプロデュースチーム「怪」というのだから、妖怪ファンにはたまらない。監督は『着信アリ』などのヒットを手がけ、海外でも高い評価と支持を集める三池崇史、さらに主題歌と挿入歌は、本作に妖怪役で出演もしている忌野清志郎が担当、子供だけで楽しむにはもったいない贅沢なスタッフが顔をそろえている。また、特殊メイクや特殊造形、CGにより表現された妖怪たちも見所のひとつである。
 知っている妖怪の登場に嬉しくなり、その行動に笑わずにはいられなくなる。なんとも妖怪らしい戦争から、日本の文化やあるべき姿を感じてほしい。 (ヤス)

キングダム・オブ・ヘブン
Kingdom of Heaven
2005年/アメリカ/20世紀フォックス作品/2時間25分
 
監督・製作=リドリー・スコット
脚本=ウィリアム・モナハン
音楽=ハリーグレックソン=ウィリアムズ
美術=アーサー・マックス
出演=オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン、ジェレミー・アイアンズ
 
キングダム・オブ・ヘブン
 
[ストーリー]
 12世紀、鍛冶屋のバリアン(O・ブルーム)は、父が勇敢な騎士(R・ニーソン)であることを知り、十字軍の騎士としてエルサレムの戦いの旅に出る。騎士として成長しバリアンはエルサレム王を助け、やがて王女シビラ(E・グリーン)と恋に落ちる。しかし、城門の外にはサラセン帝国の大軍、内部には反乱者の影が迫る。エルサレムの都とシビラを守るため、住民たちと共に立ち上がる。
 
[コメント]
 この作品の見どころはなんと言っても映像の迫力である。エルサレムの砦を挟んでの大攻防戦は圧巻の迫力である。投石器のようなものから石や火の玉(?)が飛んでくるシーンはすさまじい迫力だ。城壁の上から侵入するための梯子用塔が次々と倒れるのを遠景から捉えたシーンもすごい。戦場の臨場感を上手く表現するために兵士が入り乱れるシーンと膨大な数の兵士を遠景から捉えたシーンを適度に織り交ぜた映像は、観るものをも兵士にしてしまうほどの迫力である。この作品は映像の迫力だけではなく、反戦と平和というメッセージも込められていると思う。有能な為政者の下では異教徒も共に認め合いながらバランスよく平和を保てるが、その為政者を失うことで人間が持つ富や権力欲のためにすぐに戦争が始まってしまう。その意味ではこの映画は為政者のあるべき姿を説く作品でもあると言える。 (則)