Korean Movie Express

11月29日 「Korean Movie Express」 (やまばとホール)

●Time Table●
11:30−13:37
14:20−16:23
16:40−18:41
猟奇的な彼女
二重スパイ
ガン&トークス

猟奇的な彼女
MY SASSY GIRL
2001年/韓国/アミューズピクチャーズ配給/2時間2分
 
監督・脚本=クァク・ジェヨン
原作=キム・ホシク
音楽=キム・ヒョンソク
撮影監督=キム・ソンボク
美術=ソン・ユンヒ
編集=キム・サンボム
出演=チョン・ジヒョン、チャ・テヒョン、キム・インムン、ソン・オクスク、ヤン・グムソク、ハン・ジンヒ、ヒョン・スキ
 
猟奇的な彼女
 
[ストーリー]
 生意気・狂暴、でも正義感が強く「ぶっ殺されたい?」が口癖の猟奇的な彼女(チョン・ジヒョン)。地下鉄の駅で偶然出会った大学生・キョヌ(チャ・テヒョン)は、彼女の突拍子もない行動に巻き込まれて困惑しつつも、どうしようもない魅力に飲み込まれていく……。過激な性格ながら、切ないほど純粋な心を持つ“彼女”が繰り広げる、楽しくて、ちょっと変わった恋物語。
 
[コメント]
 インターネット掲示板に投稿されたという、ちょっと変わった女の子とのエピソードを元に描かれた『猟奇的な彼女』。その小説よりも奇なる実話は韓国だけでなく、全世界で猟奇ブームを巻き起こした。
 殴る、叱る、ワガママを言う、猟奇的な彼女の強烈なキャラクターは新鮮で、気弱な大学生のキョヌと良いコンビ。暴力的なコメディ映画とみせておいて、どっこい、ラストで魅せる純粋なまでのラブストーリーに驚かされ、心温めてくれる。
 韓国の人気男優であるチャ・テヒョンを押し退け、圧倒的な存在感を示したチョン・ジヒョンは3本目の出演作にして大女優に。これからが楽しみなニューカマーである。日本初公開作となった、クァク・ジェヨン監督は本国で恋愛映画の名手と呼ばれており、1年ぶりの新作『ラブストーリー』が2004年1月に日本で公開される。魂を揺さぶるような感動作を期待しています! (濱)

二重スパイ
DOUBLE AGENT
2002年/韓国/ギャガ=ヒューマックス、東映配給/2時間3分
 
監督=キム・ヒョホン
脚本=シム・ヘウォン、ペク・スンジェ、キム・ジョンヘン、キム・ヒョンジョン
撮影=キム・ソンボク
編集=キム・サンボム
音楽=ミヒャエル・スタウダッハー
出演=ハン・ソッキュ、コ・ソヨン、チョン・ホジン、ソン・ジェホ
 
二重スパイ
 
[ストーリー]
 1980年、冷戦下の東ベルリン。北からの亡命者を装った工作員イム・ビョンホ(ハン・ソッキュ)は韓国情報部の信頼を得ることに成功。2年後にはスパイ活動を受け持つ国家安全企画部の正式な要員になる。その頃女性アナウンサーを装う連絡員ユン・スミ(コ・ソヨン)に北から彼への指令が下った。しかし2人が恋に落ちたことから運命は変わり始める……。
 
[コメント]
 これまでのハン・ソッキュの主演8作品のうち、日本で広く公開されたのは『八月のクリスマス』(1998)『シュリ』(99)『カル』(99)の3本だけだった。それでも日本において韓国のトップスターとの強い印象があるのは、いずれの作品でも感じ取れるその存在感と、どの役柄にも対応できる柔軟な役作りによるのだろう。(韓国の役所広司と呼んだら失礼だろうか。)
 『二重スパイ』は、ハン・ソッキュにとって『カル』以来の3年ぶりの新作である。スパイものと言っても「007シリーズ」の荒唐無稽さとは対極をなし、80年代前半の北と南の緊張の高まりやスパイの日常、非情な情報部の実体をリアルに描いている。後半の逃亡シーンは派手なアクションシーンがないのに観客がぐいぐい引き込まれていくのは、ハン・ソッキュならではの繊細な心理描写によるところが大きい。
 やっぱり、ハン・ソッキュは凄い! (淳)

ガン&トークス
GUNS&TALKS
2001年/韓国/グルーヴコーポレーション配給/2時間1分
 
監督・脚本=チャン・ジン
撮影=ホン・ギョンピョ
音楽=ハン・ジェグォン
美術=イ・ミジ
編集=キム・サンボム
出演=シン・ヒョンジュン、チョン・ジェヨン、シン・ハギュン、ウォンビン、チョン・ジニョン、オ・スンヒョン、コ・ウンミ
 
ガン&トークス
 
[ストーリー]
 一軒家で同居するプロの殺し屋4人組。でも普段は普通のソウルの青年。ある日、オペラ劇場での「ハムレット」上演中にある人を殺して欲しいという大仕事が舞い込んできた。しかし、そこにはかねてから4人に眼を付けていた特捜検事による厳重な警備と800人の観客が……。果たして彼らはこの仕事を無事に遂行することができるのか?
 
[コメント]
 「あなた、殺したい人いますか?」の文字とガンを手にしたカッコイイ男4人の写真のチラシを見た時、これは結構ハードボイルドなのかと思い、何としても観るぞと決め、結局上映最終日最終回に足を運んだ自分。しかしそこで観たのは——予想とは大きくかけ離れたチラシの男たち。確かに彼らの仕事は殺し屋で依頼通りターゲットを次々と片付けていく。そこは予想通りなのだが、普段はかなり3枚目なのだ。今までの殺し屋映画に登場するのは野心家か物凄い冷酷人間だという勝手な先入観のせいで、最初はおいおい、ホント大丈夫? と疑ってしまったほど。でも映画が進むにつれ、仕事中のクールさと仕事以外のギャップが上手く調和していて、観終わった後はやっぱカッコイイ! に変わってました。
 そうそう前出のチラシの裏には「スタイリッシュでポップな全く新しいクライム・ムービーの誕生!」と書いてありましたが、本当この映画にピッタリですね。 (仁)