コンペティション VIDEO部門

11月30日 「コンペティション VIDEO部門」 (ヴィータホール)

●Time Table●
10:00−10:46
11:00−11:45
12:00−12:39
13:25−14:33
14:45−15:44
16:00−17:13
17:30−18:14
18:30−19:00
19:15−19:35
ナナ
ゴールデンウィークエンド
二花子の瞳 〜にかこ、の、ひとみ〜
レイズライン
君にありがとう
ワタシノ夜想曲
サイドシート
監督座談会
授賞式

ナナ
2002年/miniDV/46分
 
監督・脚本=佐藤克則
撮影=Oliver Deakins
音楽=曲 Eric Satie (ピアノ 西晃穂)
出演=清恭子、和知健明、太田はじめ
 
ナナ
 
[作品紹介]
 都内の大学に通う20歳の女の子、三島ナナは知っていた。奇跡が起こる魔法のことを。
 7時7分7秒に奇跡を願えば、それが訪れることを。そしてナナは今日も時計を睨みながら奇跡を待っている。「奇跡は起こる……あたしは知っている……その時になればきっと奇跡は起こる」時間は7時7分7秒。ナナはハッと体を起こして周囲を見回す。静寂の瞬間、その時……。
 
佐藤 克則(さとう かつのり)監督

 1978年生まれ、茨城県出身。日活芸術学院在学中より自主映画を撮り始め、『トオキーモノウロウム』(99年)で神奈川映像コンクール入選。学院卒業後はフリーで映像製作を続ける傍ら、グラフィックデザインの仕事も手掛ける。現在、次回作を構想中。
 
[メッセージ]
 とてもちいさな個人的なきっかけと、大きな声では言えない個人的な動機と、救いのなかった個人的な状況から、幾人かの時間を食いつぶし、自分の生理感覚に忠実に従った個人的な映画を僕は思いきり楽しんで作ってしまいました。かすかな胸の痛みを感じつつ、多くの人の前で上映される機会が与えられたことを嬉しく思っています。

ゴールデンウィークエンド
2001年/DV/44分
 
監督・脚本・出演=山田英治
撮影=浜口康之
出演=郡司掛雅之、大森南朋、藤井かほり、柳野幸成、今井あずさ
 
ゴールデンウィークエンド
 
[作品紹介]
 明日、出産のため実家にいた妻が東京に帰ってくる。まだ父親になる自覚のない主人公の男は、明日から始まる「パパとしての人生」を前に、いつもの遊び仲間と途方もなく長〜い一日を過ごす。
 大人になりたくない、若くもない「コドモ」たちの、哀しくて、笑える「三十路青春ロードムービー」。自称“世田谷三部作”の第2弾。第1弾『春眠り世田谷』を観た人には、さらに面白いと思います。
 
山田 英治(やまだ えいじ)監督

 1969年千葉県出身。現在33歳。会社員。土日有給を使い、映画活動を継続。『迷猫』、『春眠り世田谷』に続き、3年連続当映画祭で上映される。2001年『プラットホームアットホーム』で、宝塚映画祭グランプリを受賞。現在、03年夏クランクイン予定の新作『定年パーマ』のシナリオ執筆中。
 
[メッセージ]
 お、もうすぐゴールデンウィークだ、あ、今年はどういうわけか、仕事もなく、まるまる休めそうだぞ、でも、その間を無駄に過ごすのももったいない、映画を撮ろう、ゴールデンウィーク中にすべてが終わる映画を!」
 ということで、この映画を作りました。ほぼ一日の話を、ほぼ一日で撮った、ほぼ順撮りのロードムービーです。30代にも青春はある! ということが僕の最近のテーマです。33歳、独身、自主製作映画マンで、サラリーマン。
 俺たちの黄金週間は終わらないぜ、そんな気分を感じてください。

二花子の瞳 〜にかこ、の、ひとみ〜
2002年/miniDV/39分
 
監督・脚本=佐藤圭作
脚本=安達寛高
撮影=田中武
照明=青木孝夫
出演=水野佑美、美月、レオナルド備前、三上眞一郎
 
二花子の瞳
 
[作品紹介]
 決して知られてはいけない家族の秘密を守るため、人目を逃れ山奥でひっそり暮らす双子の姉妹、花子と二花子。花子の犯した小さな過ちは、やがて家族に崩壊をもたらす……。美しい風景と伝統的な日本家屋で展開する、愛らしく痛ましい物語。
 
佐藤 圭作(さとう けいさく)監督

 東京都出身。脚本を担当した1999年作品『NEZI 〜The Night of the Clazy Screws』にて第3回インディーズ・ムービー・フェスティバル第5位。初監督作品の本作にて「プラネット映画祭2002」、「みちのく国際ミステリー映画祭」、「SHOBI FILM FESTIVAL」入選。
 
[メッセージ]
 制作コンセプトは「日本人にしか作れない日本映画」。
 「日本映画はつまらない。ハリウッドや香港に学ぼう」という風潮が主流となっている現在だからこそ、伝統的な日本人のメンタリティに基づきながらも新しい日本の物語を作ってみたいと考えました。
 小津安二郎監督作品『秋刀魚の味』『秋日和』で知られる俳優三上眞一郎氏を迎え、日本映画の伝統に連なりうる作品創りを目指しました。

レイズライン
2002年/DV/1時間8分
 
監督・脚本・編集=福谷修
プロデューサー=柴田一成
撮影=早坂伸
CG・VFX・音楽=坂本サク
出演=金子梅華、高藤健五、祖父江唯、西冬彦
 
レイズライン
 
[作品紹介]
 同じ沿線に住みながら、なぜか会えなくなった一組の男女。そこに秘められた意外な真相とは!? 自殺、事故が絶えない“呪われた路線”中央線を舞台にした新感覚のラブ・ファンタジー。出演は「電波少年」の金子梅華、『怨霊』の高藤健五、『トリック』の祖父江唯。撮影は映画『BORDER LINE』、PFFアワード2000グランプリ『青chong』の早坂伸。CG、音楽はロッテルダム国際映画祭出品作『摩訶不思議』の坂本サク(多摩市出身)。本年度みちのく国際ミステリー映画祭グランプリ(オフシアターコンペティション)&観客賞W受賞。第5回インディーズムービー・フェスティバル入選。(URL: www.leysline.com/
 
福谷 修(ふくたに おさむ)監督

 1967年名古屋市出身。CSのCGアニメ、地上波の深夜ドラマの脚本、「DVD&ビデオでーた」の映画ライターと多方面に活動。他に「カルトQ〜スピルバーグ」などに出演。本作が長編初監督作。
 
[メッセージ]
 インディーズ映画でしか不可能な“東京の今”を活写するため、プロでも撮影許可がおりない都心の駅や列車内に舞台を限定し、全編でゲリラ撮影、隠し撮りを行ないました。同時に、それは先進国でも異例といえる、首都東京の厳しいロケ事情への問題提起でもあります。なお本作はドイツ・シネ・アジア・フィルム・フェスティバルから出品を要請されるなど、海外からも注目されています。不完全な部分もありますが、新しいエンターテインメントの可能性を感じ取っていただければ幸いです。

君にありがとう
2001年/miniDV/59分
 
監督・脚本=山岡大祐
撮影=橋本清明
音楽=利田一平、内田あや
出演=石坂岳史、山本昌江、古澤裕介、水戸ひねき、山梨はな
 
君にありがとう
 
[作品紹介]
 甲子園のスーパースターだった男、秋山。将来を嘱望されていたが、今は引っ越し屋で働く毎日を送っている。職場ではバカにされ、同棲中の彼女にも愛想をつかされている彼の唯一の楽しみは高校時代の自分のビデオを見ることだった。そんなある日、仕事先で報われない人生を送るブサイクな女、高子と再会する。秋山は、彼女の荷物から自分の写真を貼ったアルバムを見つける。高子が自分のファンだったことを知り、写真を譲ってくれと迫る秋山。変わり果てた秋山を認めることの出来ない崇子の持ち出した交換条件とは……。過去に恋するダメ人間の物語。
 
山岡 大祐(やまおか だいすけ)監督

 1975年生まれ。静岡県出身。大学卒業後の99年、自身のダメッぷりを笑い飛ばす映画をつくるところからキャリアスタート。短編第2作目の『バカは死ななきゃ治らない』は大島渚が審査委員長をつとめる神奈川県映像コンクールで準グランプリ。短編映画館トリウッドでも1ヶ月ロードショーされる。
 現在、モテない男子高校生がモテようとしてパンクバンドを始めるも、余計嫌われる羽目になる『TUIN IN!(仮)』の準備中。
 
[メッセージ]
 自分の欠陥を認めることが出来ない、哀しい人間たちの織りなすドラマです。そんな彼らの行動を笑ってやってください。人間そう簡単に変われませんし、自分のダメなところに落ち込んでしまうくらいならせめて笑いとばして明日を迎えたいですねえ。

ワタシノ夜想曲
2000年/miniDV/1時間13分
 
監督=山崎都世子・二ノ宮秀穂
演出=山崎都世子
脚本・撮影=二ノ宮秀穂
出演=須川桃江、高田知佳、中村裕子
 
ワタシノ夜想曲
 
[作品紹介]
 平成でなく昭和の時代。文化祭前の女子校。演劇部の部長を任された雪子は急遽、予定の舞台を中止し、8mm映画を制作することになった。そんな雪子の楽しみは、以前からほのかに想いを寄せていた顧問のふゆ先生に手紙を書くことだった。しかし、先生の悪い噂を聞いてしまった雪子は……。【好きだから忘れたかった、忘れたことさえ忘れたかった】雪子は交差する現実と幻想のなかを彷徨っていく……。女教師を慕う女子高生の憧憬を描いたトランスジェンダームービー。
 
山崎 都世子(やまさき とよこ)監督

 1975年、大阪出身。ビジュアルアーツ専門学校卒業。大阪、西成区で出会った人々との交流記『パンとキリスト』がイメージフォーラム審査員特別推奨作品を受賞。TV番組制作会社を経て、ビジュアルアーツの助手として2年間勤務。同年入社の二ノ宮秀穂と共同制作をはじめる。只今、新作『小夜鳴鳥 ナイチンゲール』準備中。
 
[メッセージ]
 「女生徒が女教師を恋しく想うばかりに刺してしまった」という実際の事件にインスピレーションを受け、企画しました。愛するということ、愛されるということ、そして生活は続くということ……。映像、雰囲気、演出、ノスタルジックな気分を味わってみてください!

サイドシート
2001年/DV/44分
 
監督・撮影=新垣善広
脚本=チームアラカキ
音楽=川満悟
出演=山城いずみ、上間一
 
サイドシート
 
[作品紹介]
 職場の上司との不倫、そんな愛の形に苦しむ主人公「紗枝」。最後と決めた密会で彼との口論、男の暴力——。そして不運にも男が崖から転落死。混乱と恐怖のなか、必死で表通りまで出た紗枝。ようやく通った車に街まで乗せてもらうことになったが、男性運転手と2人、気まずくて重い車内の空気。その場しのぎの会話からポツポツと互いのことを話すうち、奇妙な連帯感を感じる2人。
 そして運転手が過去を語り、想像できない結末へと紗枝を導いていく……。
 
新垣 善広(あらかき よしひろ)監督

 1964年、沖縄県出身。86年に上間一示と共に自主制作映画サークル「新垣映画組合」を結成。過去7作品を製作。『第3幕』が神奈川映像コンクールにて神奈川新聞社特別賞を受賞(93年)、『A.S.T/愛と青春の低気圧』がリアルストリーム大賞受賞(2000年)し、また『AST』と本作で2年連続みちのく国際映画祭にノミネート(00年、01年)を果たす。
 
[メッセージ]
 『サイドシート』はヒーリング・サスペンスです。アルフレッド・ヒッチコック監督への想いを込め、敢えて色彩の表現力を省いたモノクロ映画としました。楽しんで頂けたら幸いです。