くるぜ!!北海道

11月24日 「くるぜ!!北海道」 (ベルブホール)

●Time Table●
11:00−12:46
13:20−14:49
15:10−17:00
パコダテ人
マンホール
トーク 大泉洋、鈴井貴之監督

マンホール
2001年/マンホールフィルム製作/アースライズ配給/1時間45分
 
企画・原案・監督=鈴井貴之
脚本=伊藤康隆
撮影=佐野哲郎
美術=中原芳雄・七尾出
音楽=直枝政広(カーネーション)
編集=菊池純一
出演=安田顕、三輪明日美、大泉洋、本田博太郎、金久美子、中本賢、北村一輝、きたろう
 
[ストーリー]
 札幌の新興住宅街に住む女子高生の希の家庭は会話も食卓の風景もなく、静かに崩壊しつつあった。そんなある日、正義感の強い警察官である小林巡査と出会い、ひょんなことから二人でどこかにあるという“夢のマンホール”を探しに行くのです。決して信じているわけではない。でも、そんな場所があればと心のどこかで願いながら……。
 
[コメント]
 誰にでもノスタルジーという感情を感じる瞬間がある。それは幼少期の風景だったり、感情の面影をどこかに感じた瞬間に沸き起こるものだと思います。これはそんな感情を思い起こさせてくれます。当たり前のすてきさ、夢みる力、そして思春期のころに感じた少し切ない、そんな感情を言葉ではなく映像で表現していて、きっと観終わった後の帰り道、見慣れたはずの景色がいつもと違って見える、そんな映画です。
 またこの作品はいわゆる“ローカル映画”ですが、ただのローカル映画ではありません。この作品は主演者・製作・公開・反響において北海道の圧倒的な実績、支持を得て全国に公開されているのです!! そして初監督に挑んだのは北海道にて活躍の「北のカリスマ」鈴井貴之監督。出演者には同じく北海道で圧倒支持を得ている安田顕、大泉洋両氏がいる。それぞれ映画初監督、初出演とは思えぬ作品で、これから意欲的に北海道より映画を発信しつづけて欲しいと思います。 (健)

パコダテ人
2001年/『パコダテ人』製作委員会/アートポート・アースライズ共同配給/1時間22分
 
監督=前田哲
脚本=今井雅子
撮影=浜田毅
音楽=山本姫子
編集=奥田浩史
出演=宮崎あおい、大泉洋、松田美由紀、徳井優、松田一沙、萩原聖人
 
[ストーリー]
 日野ひかる(宮崎)は函館に住むどこでもいる普通の高校生。ある日突然「シッポ」が生えてきた。悩むひかるは自称ファッションデザイナーのお姉ちゃんに相談するが、考えだしたのは、シッポを出す生活。そして函館の街は、いつしかシッポが大ブームに。シッポのはえた「パコダテ人」ひかるは大人気! 函館の象徴的な存在になるが……。
 大好きな家族と大好きな彼と離れたくないひかるが函館に起こす一大センセーション!
 
[コメント]
 とにかく、かわいい映画。そして映画全体がとても温かい。
 宮崎あおいの演じる主人公の日野ひかるは素朴で、恋に悩んでいてまさに高校生そのものだし、画面はいつも色がたくさんあって高校生の心のなかを表現しているようにカラフルで、自称デザイナーのお姉ちゃんが作る服はポップでキュートな物ばかり。この服は実はひかると同世代の高校生たちが作ったもので元気にみえるように、必ずどこかに赤がはいっているのです。
 これだけでも十分温かいのに、お姉ちゃんの赤毛の天然パーマ、ひかるのしっぽを通じてコンプレックスを前面に押し出すことで、人とは違うもの、個性になるということを教えてくれます。はひふへほ、ばびぶべぼをパピプペポと発音(パツオン)するパコダテ語も面白いし、観た後にはすっかり元気になれる映画です。 (福)

●ゲストの紹介
鈴井 貴之(すずい たかゆき)監督

 1962年5月6日、北海道赤平市生まれ。北海学園大学在籍中に演劇の世界に入り、83年には自身が主催する劇団を旗揚げ。その後、90年には劇団「OOPARTS」を結成。同年、吉雄孝紀監督『へのじぐち』にも出演。これ以降テレビ・ラジオへの出演が増え、92年に「クリエイティブオフィスキュー」を設立。98年の「OOPARTS」解散後は、タレント・構成作家として数々の番組を手がけるとともに、映画監督としての道を開拓。2001年の初監督作品『マンホール』は第10回あきた十文字映画祭 北の十文字賞、第15回福岡アジア国際映画祭審査員特別賞を受賞。02年10月には、中国金鶏賞映画祭特別作品にもなった。
 
大泉 洋(おおいずみ よう)氏

 1973年4月3日、北海道江別市生まれ。北海学園大学入学と同時に演劇研究会に入部。在籍中にHTB(北海道テレビ)の深夜番組に出演、これをきっかけにTV・ラジオの仕事を始める。その後「水曜どうでしょう」に鈴井貴之とともにレギュラー出演。番組のブレイクと共に、人気・知名度ともに北海道を代表するタレントに成長。テレビ・ラジオ問わず、道内ローカル局のレギュラー番組を多数抱え、テレビ朝日系列「パパパパPUFFY」に出演、「どうでしょうリターンズ」の道外放送をきっかけに、「北海道から全国へ」というタレント活動の新たな形を切り開いた。また、舞台役者としての人気も確立。「TEAM-NACS」「劇団イナダ組」に所属、数多くのステージを経験している。