コンペティション FILM部門

12月2日 「コンペティション FILM部門」 (ヴィータホール)

●Time Table●
10:00−10:43
10:55−11:42
11:55−12:25
13:00−14:00
14:15−14:54
15:10−15:45
16:00−16:55
17:10−17:40
17:50−19:00


19:10−19:30
晴れた日にパンツを干して…
万・華・鏡
お先真っ白
自転車とハイヒール
L'Iliya〜イリヤ〜
たばこ屋とくものむこうがわ
トシ君が生まれた日
監督座談会
特別招待作品 <クロージング上映作品>
ひとしずくの魔法
 ティーチ・イン 安田真奈監督、石坂千尋氏、いとうまい子氏
授賞式

晴れた日にパンツを干して・・・
2001年/8mm/32分
 
監督=今井久
脚本=今井組
撮影=穐山茂樹
音楽=山田耕平
出演=永澤亜由子、倉田大樹(ダイジュ)
 
晴れた日にパンツを干して・・・
 
[作品紹介]
 ある日、女は「赤ちゃん……できたかも……」
 そして、男は「結婚しよう」
そんなこんなで二人はオンボロの車に乗り込み、いざ旅路へと向かう。そして女はよりいっそう嘘をつき、そして男はよりいっそうあほになっていく。
 二人が織りなす"あほうそ"を映画の教科書を破り捨てたリズムで奏でるオフビートラブコメロードムービー。
 
今井 久(いまい ひさし)監督

 1978年生まれ、東京都出身。幼少の頃より「この子は磨けば光る!」と言われ続けはや23年。
 
[メッセージ]
 『LOVE LOVE』を絵で描きなさい。
 ある日映画の神様にそんなことを問われました。苦悶のあげくに、パンツとパンティが並んで干してある絵を描きました。どうでしょう?
 そんなこんなで始まった映画ですが、STAFF&CASTの皆様にまず「ありがとう」。そしてこの『晴れた日に〜』を観ていただける皆さん「なんだかんだいっても好きやねん」なんて口ずさんだりして貰えれば幸いです。

万・華・鏡
2001年/16mm/47分
 
監督・脚本=日向朝子
撮影=中堀由衣子
音楽=カトウミチル
出演=増田淳、小松梨乃、近藤なつめ、今泉悠、田中精、本田哲浩
 
万・華・鏡
 
[作品紹介]
 これは、この世にたくさん「万」あるであろう人生のエピソードのなかの3つのお話です。これは、3人の女の子「華」のお話です。これは、彼女たちが「鏡」を見るが如く自分を見つめ直すお話です。さて、彼女たちは「万華鏡」というお話のなかで、どんな自分を発見し、人生にどんなお花をさかせるのでしょう。私は出会いが人生をつくっていくと思います。これは、彼女たちが出会いによって自分を発見していく物語です。
 
日向 朝子(ひゅうが あさこ)監督

 1978年生まれ、東京都出身。今春、日本大学芸術学部映画学科を卒業。本作品は卒業制作であり、2作目の劇映画。
 
[メッセージ]
 あなたの人生は、どんな模様をしてますか?

お先真っ白
2001年/16mm/30分
 
製作=細野辰興
プロデューサー=根岸速、添原ひとみ
監督・脚本=向谷内隼人
撮影=南靖比呂、松本陽子、坪沼大輔
音楽=中山知之
出演=野中和行、湯澤勉、まつだっっ!、国枝量平、三島裕
 
お先真っ白
 
[作品紹介]
 「将来は、適当にやっていきますよ」
 夏のある日、高校の進路指導室。高校3年生、誰もが不安や期待を抱く頃、彼はそう言った。学校はつまらない。特にやりたいこともない。かといって悩んだりしない。だから適当にやっていく。親や教師は心配するけれども、彼は全く動じない。
 夏休み、なんとなく電気屋のバイトを始める。そこにはちょっと面白い人たちがいた。
 
向谷内 隼人(むこうやち はやと)監督

 1979年生まれ、富山県出身。98年3月富山県立有磯高校卒業後、同年4月に日本映画学校映像科に入学。2001年日本映画学校卒業製作として本作品を製作し、3月卒業。
 
[メッセージ]
 なんとなくな主人公がバイトをとおして、なんとなく気分がよくなったようなそんな感じのハナシです。
 みんなもなんとなく力をヌイてみたらどうですか。がんばりすぎはつかれますよ。
 担任の先生はぜひバカルディの三村さんにやってほしかったんですが。

自転車とハイヒール
2000年/16mm/1時間
 
監督・脚本=深川栄洋
撮影=浦田秀穂
音楽=栗原崇
出演=宮本和也、山崎俊、吉井信興、八木正純、磯部美香
 
自転車とハイヒール
 
[作品紹介]
 小学生の典彦は家が貧しくて自転車を持っていないことを友達に知られたくなくて嘘をついている。ある日友人の博之に自転車の事を追求されて典彦は嘘を新たな嘘で固めようとする。13年後、典彦は盗まれた自転車を探していて自分の自転車に乗っている博之と再会する。典彦は博之のアパートを訪問するが同棲相手のしのぶが博之を独占したい一心で典彦に嫉妬心をむきだしにする。彼女を持て余しながらも自分なりの愛情をかける博之を見て典彦の心に微妙な変化が生まれる。
 
深川 栄洋(ふかがわ よしひろ)監督

 1976年、千葉出身。東京ビュアルアーツの卒業制作『全力ボンバイエ』が京都学生映画祭入選、水戸短編映像祭水戸市長賞を受賞、短編映画館トリウッドのオープニング作品として公開される。ニューシネマワークショップで製作した『ジャイアントナキムシ』はPFFに入選。新作の短編『Open Timer's-ラブイボ-』が完成した。
 
[メッセージ]
 嘘つきな子がいました。その子は自転車を持っていません。その子には友達がいます。だから嘘をつきます。友達の後ろを走って付いていきます。度胸があれば自転車を持っていないって言えるのにな。大人になった僕には気になる娘がいます。勇気が沸いてきたら打ち明けよおっと。嘘をついちゃう前に。

L'Ilya〜イリヤ〜
2000年/16mm/39分
 
監督・脚本=佐藤智也
撮影=野崎明広
照明=荻久保則男
音楽=長嶺尚子
出演=荻原志乃、山野内扶、遊上良子、勝田恭子、岡田和子
 
L'Ilya〜イリヤ〜
 
[作品紹介]
 近未来。文化は行き詰まり、無気力と頽廃感が人々の間を支配していた。そして、よくある流行のように、自殺していく人間が多かった。ビデオアーティストのイリヤは、題材として自殺を扱う。自殺志願者が死ぬところをビデオで撮影し、色や画像を加工し音楽をつけることでビデオクリップに仕上げた。センセーショナルな題材に、人々は飛びついた。イリヤは売れっ子のアーティストとなった。
 
佐藤 智也(さとう ともや)監督

 1964年生まれ、東京都出身。大学在学中に太田達也監督作品『REM』の現場に参加。その後は(株)映画工房で「美少女仮面ポワトリン」などの東映テレビシリーズの光学合成を手懸けていたことも。初の16mm作品『マレヒト』(1995年)は劇場公開後、ゆうばり国際・冒険ファンタスティック映画祭、みちのく国際ミステリー映画祭のオフシアター部門などにて上映される。
 
[メッセージ]
 "自殺"というのは、"自殺せずに生き残っている我々"の神経に触れるものである。でも、"自殺"は、世の中が貧しかろうが豊かだろうが、いつの時代にも確実に存在してきた。"自殺"を肯定する気も否定する気もない。これはそれを取り巻く世界の話のつもりだ。

たばこ屋とくものむこうがわ
2000年/16mm/34分
 
監督・脚本=栗原雅子
撮影=野田直樹
音楽=高田実
出演=渡邉美香、岸建太朗
 
たばこ屋とくものむこうがわ
 
[作品紹介]
 主人公の少女すずは、幼馴染の突然の死のショックを受け入れられず、内にこもっていく。
 ある日、彼女は祖母のたばこ屋の留守番をかってでる。そこで、いつもたばこを買いに来る"おかま"の静子と出会い、閉じた心がすこしづつ解けていく。
 
栗原 雅子(くりはら まさこ)監督

 1976年生まれ、神奈川県出身。短大卒業後に恵比寿のおもちゃ屋に就職。何も考えてない日々を過ごす。99年、突然思い立ち、ニューシネマワークショップにて、映画制作を学び、実践クリエーターゼミの実習作品として『たばこ屋とくものむこうがわ』を製作する。
 
[メッセージ]
 空はとても広くて、何もかもすっぽりつつむ。私は空が大好きです。
 空を見上げながら、本屋で働きながら、書きました。
 自分の世界を映像という形にして、いろいろな人に見せることが出来る機会をいただけて本当にうれしい。
 いろんなことを考えてました。
 自分と向き合うのは、こんなにも難しい。
 人と向き合うのは、もっと難しい。それでも、人と向き合って生きていきたい。

トシ君が生まれた日
2001年/16mm/55分
 
製作=渡辺千明
プロデューサー=松井聡子、江崎真由美、西村旭仁
監督・脚本=吉川光
撮影=石川継洋、辻浩一郎、塩野谷祐介
記録・編集=植草奈穂子
出演=太田和渡、沖津和、時任歩、野口雅弘、滝本ゆに
 
トシ君が生まれた日
 
[作品紹介]
 中学2年生の山下俊秀は、母に暴力を振う父や、子に興味を持たない母、それに生きる気力を持たない兄のもとに生活をしている。
 心の拠りは俊秀の飼っている犬のペスだけ。そんななか、家庭教師としてやってきた田沼隆子に思春期特有の感情を抱くが、拒絶されてしまう。そして親友であるサイトウ祐紀の自殺。絶望した俊秀は、一度は自殺をしようとするが……。
 
吉川 光(よしかわ ひかる)監督

 1980年生まれ、東京都出身。都立城北高校卒業後、日本映画学校に進み、渡辺千明セミに2年間在籍。本作品は2001年卒業製作作品にあたる。
 
[メッセージ]
 この映画を去年の冬の初め、日本映画学校の卒業製作としてチームのみんなで作っていた頃、このような映画祭に出品していただけるとは思ってもいませんでした。スタッフ、キャストの皆様、関係していただいた先生方、映画祭の方々、そして、これから映画祭で映画を観ていただく方々、本当にありがとうございます。
 主人公、山下俊秀が抱えている行き詰まりや、血の通った価値観を何も与えられない不安定な状況。そしてその孤独な「儀式」をとおして、時代が抱えている行き詰まりを感じ、それでも僕らは生きていかなければならないんだ、というテーマを感じていただければ幸いです。

特別招待作品 <クロージング上映作品>
ひとしずくの魔法
2001年/DVC-PRO/和歌山マリーナシティ、吉本興業株式会社、関西テレビ放送製作/53分
 
プロデューサー=植村泰之(関西テレビ放送)、眞邊明人(吉本興業株式会社)
監督・脚本=安田真奈
撮影=朝倉義人(ステディカム 湯川達也)
照明=岸田和也
編集・録音=藤沢和貴
音楽=原夕輝
衣装=魚谷彩会
出演=石坂千尋、倉井陽祐、松苗伸彦、フランキー仲村、いとうまい子
 
ひとしずくの魔法
 
[作品紹介]
 「フランスの魔法使いはフランス語、関西の魔法使いは関西弁や!」
 そんなおかしな会話やエピソードが散りばめられたこの映画は、遊園地に住む魔法使いの物語。落ちこぼれの魔法使い・ミュウは、ココロを覗くと好きな人がわかるという素敵な魔法が身についたのに、人間のシアワセをうらやんでばかり。やがてイタズラ心に目覚めたせいで、健太という少年をとんでもない危機に追いやってしまう......。

●プロフィール
安田 真奈(やすだ まな)監督

 1970年生まれ、奈良県出身。神戸大学映画サークルで8mmを撮り始め、以来10年、メーカーに勤めながら撮り続けている<OL映画監督>。94年、97年、98年と3回のあきる野映画祭グランプリをはじめ、各地コンテスト入賞多数。関西テレビプロデュースにより製作した初の16mm『オーライ』(2000年)でも3つの賞を受賞、等身大のドラマが共感を呼び、東京・京都・大阪でリピーターが続出した。
 主な作品に『わっつ・ごーいん・おん?』(92年、8mm)、『ヒトチガイ』(94年、8mm)、『忘れな草子』(96年、8mm)、『イタメシの純和風』(97年、8mm)など。
 
[メッセージ]
 当作品は、関西テレビ「バトラク」のポルトシネマシティ企画から生まれたもので、和歌山の欧風の遊園地・ポルトヨーロッパで全編を撮影しました。魔法使い・ミュウの成長が、非現実的な設定ながらもしみじみと伝わるよう、後味のよいエンタテイメントを目指しました。ぜひお楽しみください。