アクション&スペクタクル

11月25日 「アクション&スペクタクル」 (パルテノン多摩大ホール)

●Time Table●
10:30−13:05
13:50−15:54
16:15−18:23
18:45−21:20
グラディエーター
M:I-2
ワールド・イズ・ノット・イナフ/007
グラディエーター

グラディエーター
GLADIATOR
2000年/アメリカ/ドリームワークスピクチャーズ製作/UIP配給/2時間35分
 
監督=リドリー・スコット
原案・脚本=デビッド・フランゾーニ
脚本=ジョン・ローガン、ウイリアム・ニコルソン
撮影=ジョン・マシソン
音楽=ハンス・ジマー、リサ・ジェラ−ド
美術=アーサー・マックス
編集=ビエトロ・スカリア
出演=ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、コニ−・ニールセン、オリバ−・リード、リチャード・ハリス
 
[ストーリー]
 大ローマ帝国時代、皇帝アウレリウスに最も信頼をされていた男それは、マキシマス将軍(R・クロウ)。ある日、皇帝アウレリウスはマキシマスを皇帝に選ぶことを息子コモドゥス(H・フェニックス)に告げると、コモドゥスは皇帝を暗殺する。そしてコモドゥスは自ら皇帝の座に座り、マキシマスを抹殺しようとする。マキシマスは逃亡して故郷に戻るが、すでに家族は皆殺しにされていた。追っ手から逃れるためマキシマスは奴隷となるが、やがて剣闘士奴隷(グラディエーター)としてスタジアムの観客から熱狂的な声援を受けていた。もう失うものは何も無い。必ずコモドゥスに復讐すると誓って、皇帝コモドゥスと対決するチャンスを待っていたマキシマスだが……。
 
[コメント]
 いまや「ラッセル・クロウって誰?」って言う人はとても少なくなったのではないだろうか? 『LAコンフィデンシャル』で、注目を浴び、WOWOWが出資した『クイック&デッド』で、シャロン・ストーンに見い出され、はたまた豊悦や工藤夕貴と共演したマイナー映画に出ていた頃に比べるとすっかり有名人になってしまった。彼は、前作のアカデミー賞主演男優賞候補になった『インサイダー』の中年太りぶりを見事にぶっ放し、ムキムキの格好良い剣闘士を演じております。いやぁ〜、この変身ぶりはロバー○・○ニーロ様みたいですが、彼はまだまだ若い30代です。少し遅いハリウッドブレイクもこの映画によって報われたことでしょう。ラッセル君だけではありません。監督も『ブレードランナー』、『エネミー・オブ・アメリカ』のリドリー・スコット。名作『ベンハー』、『十戒』を思わせる歴史的スペクタクル巨編は、彼の巧みなライティングやダイナミックな撮影で成功したのだと言えます。ラストは、男性、女性問わず大いに泣かせられますので、ハンカチの用意をした方が良いかもしれませんね。壮大な観衆の歓声とマキシマスの剣さばきは圧巻です。もうこれであなたは、ラッセル兄貴のファンに……。でも、オツム空っぽのコモドゥスを演じるホアキン君にも注目です。(笑) (ナ)

M:I-2
2000年/アメリカ/クルーズ、ワグナー・プロダクション製作/UIP配給/2時間4分
 
監督=ジョン・ウー
原作=ロナルド・D・ムーア、ブラノン・ブラガ
脚本=ロバート・タウン
撮影=ジェフリー・L・キンボール
音楽=ハンス・ジマー
美術=トム.サンダー
編集=クリスチャン・ワグナー
出演=トム・クル−ズ、サンディ・ニュ−トン、ダグレイ・スコット、ヴィング・レイムス、リチャ−ド・ロックスバーグ、ジョン・ポルソン
 
[ストーリー]
 究極の細菌兵器「キメラ」が開発され、それが奪われた! 悪の手からそれを奪還さるために立ち上がったイーサン・ハント(T・クルーズ)。果たして今回のミッションは成功するのであろうか?
 
[コメント]
 「トム・クルーズ」の「トム・クルーズ」による「トム・クルーズ」のための映画
 パート2モノには宿命がつきまといます。「前作の方が良かった」とか「こんなんだったら作らない方が良かったのに…」とか何かと損する事が多いものです。実際シリーズモノで成功した作品はほとんどありません。まさに「宇宙戦艦ヤマト」状態です。(笑)
 パート2製作に関して気乗りをしなかったトム・クルーズとジョン・ウーがあえて挑戦した「MI:2」はどうだったのだろうか?
 成功したか否かは各人の判断に任せるとして、僕個人としては「成功」したと思う。前作「ミッション:インポッシブル」のスタイルを極力排除し、ほとんどオリジナル作品に仕上げているところがエライ! まあ、そこが、本作の賛否を分けている要因の一つであるは間違いない。実際上映終了後「前の方が面白かった」という声も聞かれたぐらいである。それはきっと前作のタッチの方が「ミッション:インポッシブル」らしかったからなのかもしれない。かといってデ・パルマ版の方も昔の「スパイ大作戦」とは一線を画した作品になっているのは間違いないけれども。
 やや前半の展開や、人間関係の描き方が若干アバウトなところが気になるけれど、単純明快に楽しめます。トム・クルーズも楽しんで作ったのでしょう。大ファンのジョン・ウー監督に依頼し、彼の映像スタイルを思う存分発揮させたのだから。ある意味、本作はウー・スタイルの集大成的な作品に仕上がっております。次作はコメディともミュージカルとも言われているウー監督。そろそろアクション以外の作品でブチかましてもらいたいものです。 (菅)

ワールド・イズ・ノット・イナフ
THE WORLD IS NOT ENOUGH
1999年/イギリス/MGM映画製作/UIP配給/2時間8分
 
監督=マイケル・アプテッド
原案・脚本=ニール・バーヴィス、ロバート・ウエイド
脚本=ブルース・フィアステイン
撮影=エイドリアン・ビドル
音楽=デヴィッド・アーノルド
美術=ピーター・ラモント
編集=ジム・クラーク
出演=ピアース・ブロズナン、ソフィ−・マルソー、ロバート・カーライル、デニース・リチャーズ、ロビ−・コルトレーン
 
[ストーリー]
 ジェームズ・ボンド(P・ブロズナン)は、ある組織から石油王ロバート・キング卿の高額な現金を取り戻し、Mの待つMI-6本部へ戻った。しかし、ボンドの活躍に喜んだロバート卿が現金に近づいた途端、紙幣そのものが爆発し、MI-6内でのロバート卿の暗殺、本部爆破というかつてない屈辱的な大事態となる。ロバート卿の葬儀でボンドは卿の娘エレクトラ(S・マルソー)に会い、またM自ら指揮をとる作戦会議で、主犯がレナード(R・カーライル)という元KGBテロリストであることや、数年前のレナード一味によるエレクトラ誘拐事件について知る。ある時、核研究所から大量のプルトニウムがレナードによって盗まれ、核研究所のクリスマス・ジョーンズ博士とプルトニウムの行方を追ううちに、ボンドはレナードの世界を破滅と混乱へ陥れる作戦を知るが、その時Mまでもが誘拐されたという連絡を受け取る。
 
[コメント]
 シリーズ19番目の本作品は、5代目ボンド、ピアース・ブロスナンの3作目となります。彼は、ショーン・コネリーが作り上げたボンド像を、一番うまく受継いだ適役となっているようです。今回の作品は、ストーリー運び、アクションともに一時の低迷を脱した面白いものになっています。ハラハラ、ドキドキ、一体誰が敵で誰が味方なのか? まったく、ラストまで目が離せません。そしてお約束のボンドガールは、ソフィー・マルソーとデニース・リチャーズの2人です。ソフィー・マルソーは言うに及ばず、デニース・リチャーズも『スターシップ・トゥルーパーズ』の頃に比べれば、ずっとセクシー且ついきいきとした演技を行っています。本作品では、始まるとすぐにMI-6内でテロによる爆発が起こりますが、最近本物のMI-6においても爆発騒ぎが起こったのは耳に新しいことです。本当に、事実は映画よりも……ということですね。最後に、いつも楽しい新兵器を作ってボンドを助けるQ役、デスモンド・リューウェリンは本作品撮影後亡くなり、これが遺作となりました。 (上)