第30回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【C-7】昭和のコメディ ―庶民派コメディ―

11/23[祝・月] ベルブホール

チケット料金

一般
当日のみ:800円

本日休診

  • 1952年/松竹(大船)製作/松竹配給/97分
  • 監督=渋谷実
  • 製作=山本武
  • 原作=井伏鱒二
  • 脚色=斎藤良輔
  • 撮影=長岡博之
  • 美術=浜田辰雄
  • 音楽=吉沢博 奥村一
  • 出演=柳永二郎、増田順二、鶴田浩二、淡島千景、角梨枝子、佐田啓二、三國連太郎、岸恵子、田村秋子、中村伸郎、長岡輝子、十朱久雄

ストーリー

ある町の老医師・三雲八春(柳永)は、院長を甥の伍助に譲って1年目。本日休診の札を掲げて、院長を始め看護婦たちを慰安旅行に出してやった。そんな彼のもとに、次から次へと突飛な事件が舞い込んでくる。

コメント

井伏鱒二の同名小説と「遥拝隊長」の2つの短編をもとに、『わが恋は花の如く』の斎藤良輔がシナリオを書いた風俗喜劇。三國連太郎が演じた、戦地で頭に負傷したことから発作的に軍隊時代に逆戻りする青年の姿は、観るものに強い印象を残す。監督の渋谷実は、松竹で成瀬巳喜男らの助監督を務め、戦後、獅子文六原作の『自由学校』(1951年)で監督としての地位を確立、『現代人』(52年)でも知られる。ドライな感覚に鋭い風刺を盛り込んだ作風は、この群像喜劇にも存分に活かされている。主な出演者は、柳永二郎、『母化粧』の増田順二、鶴田浩二、淡島千景、佐田啓二、角梨枝子、三國連太郎、岸恵子などの他に、田村秋子、中村伸郎、十朱久雄、長岡輝子、多々良純などの新劇陣や新派の市川紅梅などが加わっている。(にっしぃ)

喜劇・女は男のふるさとヨ

  • 1971年/松竹製作・配給/90分
  • 監督・脚本=森崎東
  • 製作=小角恒雄
  • 原作=藤原審爾
  • 脚本=山田洋次
  • 撮影=吉川憲一
  • 美術=梅田千代夫
  • 音楽=山本直純
  • 編集=杉原よ志
  • 出演=森繁久彌、中村メイコ、倍賞美津子、緑魔子、河原崎長一郎、花沢徳衛、伴淳三郎、佐藤蛾次郎

ストーリー

新宿でストリッパー斡旋所を経営する金沢(森繁)と竜子(中村)。ふとしたきっかけでそこを出て旅回りをすることになったダンサー・笠子(倍賞)と、彼女を支えようとする自転車修理工・照夫(河原崎)は改造した自動車で南へ向かう。

コメント

ヒモだった男のせいで旅に出る決意をした女が、今度は自分の方が男を上手く食い物にしようとするが、別れるタイミングになって相手の深い愛情に気づいて思い直す――ここで終わればハッピーエンドのはずが、さらにひとひねりが加えられて人生のほろ苦さを感じさせられました。途中で出てくる「99のウソと1つの真が許せる場合もあれば、99の真実を語っても、たった1つのウソが許せない場合もある」というセリフが刺さります。

監督の森崎東さんは今年の7月に逝去されました。『男はつらいよ』や『時代屋の女房』などの人情喜劇を手掛けられ、2013年にキネマ旬報日本映画ベストテンで第1位になった『ペコロスの母に会いに行く』はTAMA映画フォーラムの特別上映会でも上映させていただきました。(永)

プログラム一覧

大島新監督、井手英策氏(慶應大学教授)
ふくだももこ監督(予定)、松本穂香氏、中井圭氏(映画解説者)
いまおかしんじ監督、城定秀夫監督、佐藤宏氏、西山真来氏、切通理作氏(文筆家)
シエロウインドシンフォニー、平井珠生氏
岨手由貴子監督、小川真司プロデューサー
岩井澤健治監督、森直人氏(映画評論家)
岩井俊二監督、斎藤工氏
団地団