第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【C-6】昭和を彩る個性派監督 ―Vol.2 岡本喜八監督―

11/21[水] ベルブホール

チケット料金

一般
当日のみ:800円

独立愚連隊

  • 1959年/東宝製作・配給/108分
  • 監督・脚本=岡本喜八
  • 撮影=逢沢譲
  • 美術=阿久根巖
  • 音楽=佐藤勝
  • 編集=黒岩義民
  • 出演=佐藤允、雪村いづみ、鶴田浩二、三船敏郎、夏木陽介、中谷一郎、上村幸之

コメント

太平洋戦争末期の北支戦線を舞台に、佐藤允扮する元軍曹が軍隊のはみ出し者を集めた独立愚連隊に潜入し、慰安婦と心中したとされる弟の死を探るという物語である。

この映画は西部劇の活劇調で、わずかな出演だが、三船敏郎演ずる大隊長、鶴田浩二演ずる無国籍な感じの馬賊もキャラが立っている。主人公の佐藤允や愚連隊の面々や慰安婦たちが、生き生きと人間臭く描かれている。当時の映画評は岡本監督の思惑とは正反対のもの。「戦争ハニンゲン・イコール・ムシケラニスル、ダカラ戦争ハイヤナンダ」というつもりで作ったのに、「俄然好戦的な大量殺人者メ」というハンコを押されて返ってきた……そうである。 「開戦の日、17歳だった僕自身の寿命をつかみで21歳と踏んで、最後の兵士としての8ヶ月は栄養失調と特攻訓練と死への恐怖との闘いだった。そしてあらゆる状況を喜劇的に見る癖をつけちまおう」という思いを抱いた経験が、岡本喜八映画の始まりのようだ。

また、庵野秀明監督は岡本監督の大ファンであり、『シン・ゴジラ』でもはみ出し者を集めた形になっていて、岡本監督が牧教授の像(?)として出演している。(綾)

日本のいちばん長い日

  • 1967年/東宝製作・配給/157分
  • 監督=岡本喜八
  • 原作=大宅壮一
  • 脚本=橋本忍
  • 撮影=村井博
  • 美術=阿久根巖
  • 音楽=佐藤勝
  • 編集=黒岩義民
  • 出演=宮口精二、戸浦六宏、三船敏郎、笠智衆、山村聰、松本幸四郎(8代目)、志村喬、小杉義男

コメント

「かくして日本には、そのいちばん長い日がやってきた」

太平洋戦争の終戦から73年を迎えた今日。ポツダム宣言受諾決定から、全国民へ向けた玉音放送までの一日に何があったのか。半藤一利のノンフィクション(編・大宅壮一)を原作に、岡本喜八監督がつくり上げた大作を観る。

三船敏郎演じる陸軍大臣阿南惟幾大将を中心に、笠智衆演じる鈴木貫太郎首相、下村情報局総裁に志村喬、迫水書記官に加藤武、ナレーションは仲代達矢、物語の肝になる宮城事件の陸軍青年将校に高橋悦史、黒沢年男など、豪華俳優陣が揃った。

公開は1967年で、終戦より22年という時期。あの大戦、あの時代の空気を知っている人たちがまだ多く残るなかで作られた作品は、ひとり一人の俳優の臨場感、緊迫感、そして眼光の鋭さが違う。

それぞれがそれぞれの立場で、日本人としてあの戦争はなんだったのか、どう終わらせるべきだったのか。それは単純に戦争賛美もしくは戦争批判の映画ではなく、日本人が日本人として国を想うことに想いを馳せた作品だったように思う。(青)

プログラム一覧

今泉力哉監督、三宅唱監督
東出昌大氏、金原由佳氏(映画ジャーナリスト)
望月衣塑子氏(東京新聞社会部記者)
大九明子監督、菊地健雄監督、白石裕菜企画プロデューサー、八尾香澄プロデューサー
伊藤沙莉氏、渋川清彦氏、飯塚健監督
高橋隆大氏、長尾理世氏、石丸将吾氏、唐鎌将仁氏、飯野舞耶氏、律子氏(以上出演者)、石川貴雄氏(助監督)
清原惟監督、佐々木敦氏(批評家/HEADZ)、長尾理世氏(『ゾンからのメッセージ』出演)、律子氏(『ゾンからのメッセージ』、『わたしたちの家』出演)
ベルトラン・マンディコ監督、エリナ・レーヴェンソン氏(女優)、五所純子氏(文筆家)
有坂塁氏(移動映画館「キノ・イグルー」代表)
原一男監督
遠藤麻衣子監督、夏目深雪氏(批評家、編集者)
村川透監督
団地団
(大山顕氏、佐藤大氏、速水健朗氏、稲田豊史氏、山内マリコ氏)
細川徹監督、三宅弘城氏
菊地健雄監督、片桐はいり氏
カメ止めチーム
中野ダンキチ氏(サメンテイター)、藤田みさ氏(ラジオパーソナリティ)、中野将樹氏(芸術家)ほか
深川麻衣氏、志田彩良氏
枝優花監督、穂志もえか(保紫 萌香)氏、金原由佳氏(映画ジャーナリスト)