第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【C-13】団地団、TAMAに参上2018

11/25[日] ベルブホール
  • 11:00-12:26
  • 12:30-13:20
    トーク
    ゲスト:団地団
    (大山顕氏、佐藤大氏、速水健朗氏、稲田豊史氏、山内マリコ氏)

チケット料金

一般
前売:1,200円 / 当日:1,400円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

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下町の太陽

  • 1963年/松竹大船製作/松竹配給/86分
  • 監督・脚本=山田洋次
  • 脚本=不破三雄・熊谷勲
  • 撮影=堂脇博
  • 美術=梅田千代夫
  • 音楽=池田正義
  • 編集=杉原よ志
  • 出演=倍賞千恵子、勝呂誉、早川保、石川進、田中晋二、待田京介、藤原釜足、東野英治郎、菅井きん、左卜全

ストーリー

東京下町にある石鹸工場で働いている主人公の寺島町子(倍賞)は、同じ工場の事務職員の毛利道男(早川)と付き合っている。毛利はこの会社の正社員になって都心の本社に勤務することを目指し、社員試験の勉強に励んでいる。そして町子と結婚して下町を抜け出し、あこがれの郊外の公団の団地に住みたいと考えている。平穏な日々。しかしこの後、町子を取り巻く世界は大きく動いていく。

コメント

今年もTAMAに団地団参上。今年のプログラムは、山田洋次監督の『下町の太陽』35㎜フィルム上映。団地団の精鋭が1部、2部に渡り、昭和30年代の日本を、団地をバックボーンに語り尽くします。上映する『下町の太陽』は言わずと知れた山田洋次監督の2作目の作品です。主人公寺島町子を演じる倍賞千恵子は、後の『男はつらいよ』の「さくら」へとつながる女性の生き方をはつらつと演じています。昭和30年代を舞台とした作品ですが、ここで描かれているエピソードは平成30年の日本の現状と驚くほどダブっており、そのストーリーには古さをまったく感じさせません。国民総中流と誇っていた日本がいつの間にか二極分化への道をまっしぐらに突き進み、あの時にあった夢が今では見つけることが出来なくなってしまった感です。この映画に描かれている下町と呼ばれる共同体の人々の人間くさい生き方は、もしかしたら今の時代の閉塞感を突き破るヒントになるのかもしれない。

団地団の縦横無尽のトークの展開を今年も存分に味わってください。(竹)

団地団

2010年12月、新宿ロフトプラスワンのトークイベントで結成。メンバーがそれぞれの立場から、映画、マンガ、アニメなどに登場する団地について深く考察して大放談を繰り広げる。話題は団地の美観や構造に対する偏愛にとどまらず、団地登場作品の演出論から大衆文化論、果ては都市論や郊外論にまで飛び火。知恵熱必死の知的エンターテインメント集団。

ゲスト紹介(団地団メンバー)

大山 顕 氏

Oyama Ken

フォトグラファー/ライター。1972年11月3日生まれ。「住宅都市整理公団」(団地マニアのための団体。2000年に設立。団員は2人)の総裁。10年に佐藤大、速水健朗とともに「団地団」を結成。主な著書に「団地の見究」「工場萌え」(共に東京書籍)「ジャンクション」(メディアファクトリー)、「ショッピングモールから考える――ユートピア・バックヤード・未来都市」(東浩紀との共著、幻冬舎新書)など。

佐藤 大 氏

Sato Dai

19歳の頃、主に放送構成・作詞の分野でキャリアをスタートさせる。その後、ゲーム業界、音楽業界での活動を経て、現在はアニメーションの脚本執筆を中心に、さまざまなメディアでの企画、脚本などを手がけている。団地団発足時からのオリジナルメンバー。脚本代表作として「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」、「サムライチャンプルー」、「交響詩篇エウレカセブン」、「FREEDOM」、「スペース☆ダンディ」、「怪盗ジョーカー」、TVドラマ「ノーコン・キッド ぼくらのゲーム史」など。

速水 健朗 氏

Hayamizu Kenro

ライター・編集者。1990年代まではパソコン雑誌記者。愛車は日産マーチ・カブリオレ。主な著書に「ラーメンと愛国」「バンド臨終図巻」など。TOKYO FM「クロノス・フライデー」パーソナリティ。

稲田 豊史 氏

Inada Toyoshi

編集者・ライター。1974年生まれ。映画配給会社ギャガ・コミュニケーションズ(現・ギャガ)、およびキネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て、2013年よりフリーランス。著書に「セーラームーン世代の社会論」(すばる舎リンケージ)、「ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代」(PLANETS)。編著に「ヤンキーマンガガイドブック」(DU BOOKS)がある。「サイゾー」「SPA!」「プレジデント・オンライン」などに執筆中。団地団との出会いは、キネマ旬報社の社員だった11年。トークイベント第2回に行ったその日に書籍化をもちかけ、編集担当として「団地団 ~ベランダから見渡す映画論~」を制作、12年に刊行した。当初は裏方だったが、フリーランスになったのを機に正式メンバーとして登壇しはじめる。

山内 マリコ 氏

Yamauchi Mariko

1980年富山県生まれ。作家。2012年のデビュー作『ここは退屈迎えに来て』が2018年に映画化される。主な著書に『アズミ・ハルコは行方不明』(2016年映画化)『さみしくなったら名前を呼んで』『あのこは貴族』『メガネと放蕩娘』『選んだ孤独はよい孤独』など。団地団への参加は2013年秋から。実は作家デビュー前、団地団イベントの初回に客として行っていたことを知った稲田さんにスカウトされ、ゲスト出演ののち、レギュラー団員に昇格した。

妹尾 朝子 氏

Seo Asako

二人組漫画家“うめ”の作画・演出担当。2001年「ちゃぶだい」で第39回ちばてつや賞一般部門ちばてつや大賞を受賞。代表作「大東京トイボックス」は、マンガ大賞2012第2位、文化庁メディア芸術賞2013審査員推薦作、14年テレビドラマ化もされた。現在は、女子高生と人工知能の恋と冒険を描いた「アイとアイザワ」、育児エッセイ「ニブンノイクジ」などを連載中。団地出身、団地育ち、団地から団地への引越しも経験している“団地エリート”。15年には、団地好き人妻ユニット「団地妻」を結成。16年「団地団」へ入団。

プログラム一覧

今泉力哉監督、三宅唱監督
東出昌大氏、金原由佳氏(映画ジャーナリスト)
望月衣塑子氏(東京新聞社会部記者)
大九明子監督、菊地健雄監督、白石裕菜企画プロデューサー、八尾香澄プロデューサー
伊藤沙莉氏、渋川清彦氏、飯塚健監督
高橋隆大氏、長尾理世氏、石丸将吾氏、唐鎌将仁氏、飯野舞耶氏、律子氏(以上出演者)、石川貴雄氏(助監督)
清原惟監督、佐々木敦氏(批評家/HEADZ)、長尾理世氏(『ゾンからのメッセージ』出演)、律子氏(『ゾンからのメッセージ』、『わたしたちの家』出演)
ベルトラン・マンディコ監督、エリナ・レーヴェンソン氏(女優)、五所純子氏(文筆家)
有坂塁氏(移動映画館「キノ・イグルー」代表)
原一男監督
遠藤麻衣子監督、夏目深雪氏(批評家、編集者)
村川透監督
団地団
(大山顕氏、佐藤大氏、速水健朗氏、稲田豊史氏、山内マリコ氏)
細川徹監督、三宅弘城氏
菊地健雄監督、片桐はいり氏
カメ止めチーム
中野ダンキチ氏(サメンテイター)、藤田みさ氏(ラジオパーソナリティ)、中野将樹氏(芸術家)ほか
深川麻衣氏、志田彩良氏
枝優花監督、穂志もえか(保紫 萌香)氏、金原由佳氏(映画ジャーナリスト)