上映作品

どうする私たち、ニッポン!? ~『映画「立候補」』『標的の村』からの問いかけ~

今年公開のドキュメンタリーの中でピカイチの『映画「立候補」』と『標的の村』2本を同時上映。上映後、金平茂紀氏、森達也氏、堀潤氏のトークも行う。彼らはなぜ戦うのか、何に向かって戦うのか。私たちの自由や権利、意志ははたしてどこにあるのか。日本、私たちの姿とは何だ。――あなたはこの問いにどう答える?

11月24日(日) ベルブホール 第2部

15:30〜17:10
映画「立候補」
17:20〜18:51
標的の村
18:51〜19:40
トーク
ゲスト:金平茂紀氏、森達也氏、堀潤氏

チケット料金

  • 一般 前売:1,200円 / 当日:1,400円
    子ども(4歳~小学生) 前売:800円 / 当日:900円

Lコード:38161

映画「立候補」

  • 2013年/明るい立候補推進委員会製作・明るい立候補推進委員会、ポレポレ東中野配給宣伝/1時間40分
  • 監督=藤岡利充
  • 撮影・製作総指揮=木野内哲也
  • 音楽=田戸達英(主題曲)、岩崎太整、佐藤ひろのすけ
  • 出演=マック赤坂、羽柴誠三秀吉、外山恒一、橋下徹、松井一郎

ストーリー

無視され、罵倒され、それでも立ち続ける。人は彼らを泡沫(ほうまつ)候補と呼ぶ。
2011年霜月、橋下徹が仕掛けた40年ぶりの大阪府知事・市長選挙に現れた4人の泡沫候補たちを追い、そして問う。負ケルトワカッテ、ナゼ戦ウ?

この映画は歴史に残ることのない、存在を消し去られた敗者たちの記録である。

コメント

「どうせ選挙じゃ何も変わらないんだよ!」

2007年3月に行われた東京都知事選で泡沫候補とされた外山恒一の政見放送演説における魂の叫びである。この発言から6年あまりの月日が経とうとしている。このあいだにさまざまな政治的イベントがあった。政権与党は同じだが、彼らとて順風満帆に歩んできたわけではない。

本作にぼくは涙し、そして深く反省した。笑いの対象としてこの映画を期待していた自分がどこか情けなく感じられたのだ。彼らは何かを変えようとし行動している。そんな彼らを嘲笑える資格が僕にはあるのか。何も主張しない、行動しないことの方がエアロビクススーツで演説するよりよっぽど恥ずかしいことではないのか。それをもっとも実感させられるシーンはマック赤坂と実の息子、戸並健太郎さんによって描き出される。1人でも2人でも抗う、戦う。そんな父と子の共同戦線に涙せずに、考えさせられずにはいられなかった。さああなたも、スクリーンに映し出される自分自身を見つめ、嘲笑し、抗エ、戦エ。(聖)

標的の村

  • 2013年/琉球朝日放送制作・著作/東風配給/1時間31分
  • 監督・ナレーション=三上智恵
  • 音楽=上地正昭
  • 構成=松石泉
  • 撮影=寺田俊樹、琉球朝日放送報道部
  • 編集=寺田俊樹、新垣康之
  • プロデューサー=謝花尚

ストーリー

新型輸送機オスプレイ配備、ヘリパッド建設。日本国内の米軍基地及び専用施設の大半が集中する沖縄で、住民・県民の粘り強い反対運動にも関わらず次々と配備や建設が進められていく――反対運動を行う住民に寄り添い続ける沖縄ローカルテレビ局の琉球朝日放送が、私たち「日本人」の知らない“沖縄”を描く!

コメント

本作は沖縄県東村・高江の生活を描く。ゲンさんの作る美味しそうなオクラ、伊佐さんが作りたいというお重にはどんな料理が映えるだろう、そして子どもたちの可愛らしいこと――その彼らの頭上を米軍機が飛び彼らが反対するヘリパッドの工事は着々と進む。

本作を製作した琉球朝日放送は住民の側に立つ。そして様々に葛藤する自分たちも映しだす。それは、本来のメディアの役割・責務を全うしようとする意志の現れと私は思う。

けれど沖縄は日本の南端。そんな端っこで挙がった声も一放送局が送り出した作品も無視し切り捨てることもできよう。だが考えてみてほしい。切り捨て見捨てる国とは何だ。その先には何があるのか。本作は沖縄から日本という国を逆照射した作品だ。

沖縄の闘いは鈍角であるべきとも聞いた。確かに本作にもその鈍角の様子が描かれている。けれど彼らに未だに闘いを強いているのは誰か。本土復帰したほうが良かったのかと疑問の声を沖縄で上げさせているのは誰か。それは紛れもなく私であり私たちだ。(越)

トーク

ゲスト:金平茂紀氏、森達也氏、堀潤氏

金平 茂紀 氏Kanehira Shigenori

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年生まれ、北海道出身。77年、TBS入社。以降一貫して報道部門で、記者、ディレクター、プロデューサー、海外特派員(モスクワ、ワシントン、ニューヨーク)、キャスターを勤める。2004年度ボーン上田賞受賞。主な著書に「世紀末モスクワを行く」「ロシアより愛をこめて」「二十三時的」「ホワイトハウスから徒歩5分」「テレビニュースは終わらない」「報道局長業務外日誌」「沖縄ワジワジー通信」など。現「報道特集」キャスター。

森 達也 氏Mori Tatsuya

映画監督・作家・明治大学特任教授。1956年生まれ、広島県出身。97年、オウム真理教に密着取材したドキュメンタリー映画『A』を発表。ベルリンなど世界中の映画祭で大きな話題となる。2001年、『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で市民賞・審査員特別賞を受賞。11年には著書「A3」(集英社インターナショナル)で講談社ノンフィクション賞を受賞。「放送禁止歌」「職業欄はエスパー」「死刑」など著書多数。近著は「「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい」(ダイヤモンド社)。12年に映画『311』を公開。

堀 潤 氏Hori Jun

ジャーナリスト。1977年生まれ、兵庫県出身。2001年、NHK入局。「ニュースウオッチ9」リポーターとして主に事件・事故・災害現場の取材を担当。独自取材で他局を圧倒し報道局が特ダネに対して出す賞を4年連続5回受賞。10年、経済ニュース番組「Bizスポ」キャスター。12年よりアメリカ・ロサンゼルスにあるUCLAで客員研究員。日米の原発メルトダウン事故を追ったドキュメンタリー映画『変身 Metamorphosis』を制作。13年よりフリーランス。NPO法人「8bitNews」代表。

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