11月23日(金・祝)パルテノン多摩 大ホール

第4回TAMA映画賞授賞式

    チケット料金
  • 一般:前売2,000円 当日2,200円
  • 子ども(4歳~小学生):前売800円 当日900円
  •  
  • Lコード:31661

わが母の記

2012年/「わが母の記」製作委員会製作/松竹配給/1時間58分
  • 監督・脚本=原田眞人
  • 原作=井上靖
  • 製作総指揮=石塚慶生
  • 撮影=芦澤明子
  • 音楽=富貴晴美

  • 編集=原田遊人

  • 出演=役所広司、樹木希林、宮﨑あおい、ミムラ、南果歩、キムラ緑子、菊池亜希子

  •    三浦貴大、真野恵里菜
わが母の記

ストーリー

 小説家の伊上洪作(役所)は、幼少期に親元から離れ、親戚に預けられて育った。母に捨てられたという憎しみは、何年経っても洪作の心のなかから消えてなくなることはなかった。父の死を期に母・八重(樹木)と向き合うようになった洪作。そんなある日、洪作は八重から思わぬ言葉を聞くことになる。

コメント

 母と子の間にあるものは一体何だろうか――そう問いかけられているような気がした。母から見た子の姿。子から見た母の姿。向き合っているようで、ちゃんと向き合えていない。それは、憎しみからだろうか。気恥ずかしさからだろうか。理由は何であれ、「今」は向かいにいるその人の顔はぼやけるのだ。しかし、ずっとずっと後になってから、「今」が「あの頃」になったころ、ようやくその人の姿を捉えることになる。そして、思いもよらなかった姿が目に飛び込んできたその瞬間、ただただその場に立ち尽くし、うなだれるだろう。それから少しして気づく――ずっと前から確かにそこにあった「愛」の存在に。

 洪作が流したあの涙の意味を噛みしめる。母・八重の姿を見えづらくしていたものが、彼の頬を伝ったあの一瞬。私にも、そんな瞬間が訪れるだろう。ただ、それはずっとずっと後になってから。だから私はどこか後ろめたい気持ちを抱きながら、「今」を生きていくしかないのだ。(柿)

桐島、部活やめるってよ

2012年/映画「桐島」映画部製作/ショウゲート配給/1時間43分
  • 監督・脚本=吉田大八
  • プロデュース=佐藤貴博
  • プロデューサー=北島和久、枝見洋子
  • 原作=朝井リョウ

  • 脚本=喜安浩平
  • 撮影=近藤龍人
  • 美術=樫山智恵子
  • 主題歌=高橋優

  • 出演=神木隆之介、橋本愛、大後寿々花、東出昌大、清水くるみ、山本美月、落合モトキ

  •    浅香航大、前野朋哉
桐島、部活やめるってよ

ストーリー

 とある高校の金曜日。バレー部のキャプテンで、成績優秀。学校の“スター”である桐島が突然部活をやめるというニュースが駆け巡る。職員室で大泣きするバレー部の女子マネージャー。同じく職員室で映画部の顧問に脚本のダメ出しをされる涼也 (神木)。何も知らされておらずショックを受ける桐島の親友・宏樹 (東出)と、桐島の恋人・梨紗 (山本)。1つのニュースをきっかけに、生徒たちの日常に些細な変化が起きはじめる。

コメント

 高校という1つの同じ世界に生きながら、ひとりひとり違う立場から異なった風景を眺めている登場人物たち。彼らの見ている風景を観ては、涼也と友弘の奮闘に共感したり、亜矢の恋する姿にキュンとなったりと、自らの学生時代を思い出しながら、あーだこーだ共感する観客はとても多いだろう。少なくないキャラクターを描き分けた吉田監督の手腕は間違いなく、それに応えた若いキャスト陣が素晴らしい。

 さらに本作は陽気なノスタルジーを喚起するだけでは留まらない。それぞれ違った風景を見ていた彼ら・彼女らが、今まで気づくことのなかった他人の風景に出会い、触れるとき、まさにその瞬間、青春の儚さ、健気さ、痛み、煌めきが立ち現れる。ほんの一瞬、彼らが学校を卒業すれば、いや、もしかすると、次の日には忘れていることなのかもしれない。そんな一瞬の煌めきを永遠として切り取った『桐島、部活やめるってよ』。新たな青春映画の傑作がここに誕生した。(宮)

授賞式

受賞作品・受賞者についてはコチラのページをご確認ください。

この空の花 -長岡花火物語

2011年/「長岡映画」製作委員会、PSCc2011製作/PSC、TMエンタテインメント配給/2時間40分
  • 監督・脚本・編集=大林宣彦
  • プロデューサー=大林恭子、渡辺千雅
  • 脚本=長谷川孝治

  • 撮影=加藤雄大、三本木久城、星貴
  • 美術監督=竹内公一
  • 主題曲=久石譲
  • 主題歌=伊勢正三

  • 出演=松雪泰子、髙嶋政宏、原田夏希、寺島咲、柄本明、富司純子
この空の花 -長岡花火物語

ストーリー

 1945年、長岡空襲。2004年、新潟県中越地震。そして2011年、東日本大震災と新潟豪雨。数々の災害を乗り越えてきた新潟県長岡市を舞台に、ひとりの女性新聞記者が、不思議な体験を重ねていく。

 「まだ戦争には間に合う」という舞台と、長岡花火が、空襲や地震の被災者への追悼と、復興への祈りと解け合い、重層的な物語を紡ぐ。

コメント

 今年ほど映画を観るのが苦痛だった年はなかった。観ている時も観終わっても、常に現実には、去年の震災後に起こってしまった現実味のない現実が否応なく存在し、観る映画に「それはただのフィクションだ」と無言で言い続けている気がして、傍観者としてスクリーンへの光の反射をただ見つめていることが多かった。

 そんな時に、なんとなく深谷にある映画館に行き『この空の花 ―長岡花火物語』を観た。観ている間、なぜか子どもの頃初めて映画館で映画を観た懐かしい体験を思い出した。1993年の映画『水の旅人 ―侍KIDS』。当時、地元の福島に開館したばかりの映画館で、親に連れられて観に行き、時間を忘れて夢中になった。初めて行く深谷の映画館で、そんな既視感に包まれながら行ったことも無い長岡の風景と花火を見つめた。放射性物質に汚染されたこと以外は今も変わらずある、地元の映画館での体験を重ねながら。

 映画を観ることは、それだけでは空腹を満たせないし、お金も稼げないし、頭も良くならないかもしれない。しかし、人生の岐路に立って打ちのめされている時に、前に進む勇気を与えるのが映画であってもいいと思う。これからも大林監督が描く世界を想像し、映画というものの力を信じたい。(半)

TCF twtter

公式アカウント @tamaeiga ハッシュタグ #tamaeiga