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11月25日(金)ベルブホール 第1部

監督と女優との宿命的な出会い―Vol.2―

-文化庁/東京国立近代美術館フィルムセンター 平成23年度優秀映画鑑賞推進事業-

スクリーンを通して知る日本映画の素晴らしさと女優の美しさ。名監督による、あの名女優の若かりし頃の姿・演技に注目です。
チケット料金:当日券のみ800円

稲妻

1952年/大映製作/角川映画配給/1時間27分
  • 監督=成瀬巳喜男
  • 原作=林芙美子
  • 脚本=田中澄江
  • 撮影=峰重義
  • 音楽=齋藤一郎
  • 美術=仲美喜雄

  • 出演=高峰秀子、浦辺粂子、香川京子、村田知英子、根上淳、小沢栄太郎、中北千枝子

コメント

東京の下町。雑貨屋の三女・清子(高峰)は、四人の兄妹がそれぞれ父親が違うという複雑な家庭環境の中で暮らしていた。長女(村田)は清子に縁談話を持ち込むが、清子は金儲けのうまい男と結婚させようとする姉の魂胆に腹を立てる。一方、次女(三浦)の夫が急死すると、親族たちは次女の夫の遺産を狙おうとする。だらしない生き方をしてきた母親(浦辺)、兄は復員して以来仕事もせずにぶらぶらの毎日。

そんな家族たちに嫌気がさした清子は、家を出て世田谷のアパートに移り住む。アパートの隣家の兄妹(根上、香川)との交流を通じ、清子は次第に心洗われていくのだが、自らの家族たちとの対照を意識せざるを得ない自分の存在を感じてしまう。

家族からの脱出を試みる末娘の視点で描いた林芙美子の原作を成田巳喜男監督によって映画化された作品。

1952年度キネマ旬報ベストテン第2位。(中)

華岡青洲の妻

1967年/大映製作/角川映画配給/1時間39分
  • 監督=増村保造
  • 原作=有吉佐和子
  • 脚本=新藤兼人
  • 撮影=小林節雄
  • 音楽=林光
  • 美術=西岡善信

  • 出演=市川雷蔵、若尾文子、高峰秀子、伊藤雄之助、渡辺美佐子、浪花千栄子、原知佐子

コメント

1804年、紀伊国にて世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術に成功した医師・華岡青洲をめぐる母と妻の葛藤を描いた作品。

医学を学ぶ華岡青洲(市川)の妻となった加恵(若尾)は、夫が留学のため3年間留守にしている間、姑(高峰)と共に暮らしていた。加恵にとって憧れの存在であった姑は優しく、楽しい日々が過ぎていったが、青洲が帰って来ると姑の態度は一変する。

目的のためなら容赦なしに嫁、姑に薬を飲ませて人体実験を行なうというその凄まじさ、冷酷さ、こういう冷酷な人間こそ、まるで男の身勝手さを表しているようで、女の愛情だけでなく男の身勝手な部分まで同時に描き出す演出が光る。

世間体を重んじる日本古来の封建的な一家のまさに血みどろの戦い。

1967年度キネマ旬報ベストテン第5位。(中)