ジ・エッジ(U2)、ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)、ジャック・ホワイト(ザ・ホワイト・ストライプス)。独自のスタイルで時代を切り拓き、ロックの可能性を広げた3人が「ギター」という楽器をキーワードに語り、熱いセッションを繰り広げる。監督はアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞に輝いた『不都合な真実』のデイヴィス・グッゲンハイム。
幼い頃からブルース、ロック、ポップソングを聴いて育ち、独学でギターを学びながら、才能を開花させた3人のミュージシャンが音楽談義に花を咲かせます。ペイジは、若い頃に擦り切れるほど聴いたレコードを流しながら、嬉しそうな表情で曲の素晴らしさを解説し、エッジはいつものポーカーフェイスで名盤「ヨシュア・トゥリー」のデモテープを持ち出して完成までの記憶を辿ります。最も若いホワイトは、すでに音楽スタイル自体は確立させていますが、ふたりに比べてまだ発展中の「ぎらぎら」した印象があります。
映画は3人でザ・バンドの「ザ・ウエイト」をセッションして終わります。エッジのこの選曲、意外な感じを受けますが、映画を気に入った人はきっと共感できるしょう。彼らは好きなことを仕事に選び、時代のトップを走り続けています。どんな分野であれ、適切に能力を見出し、常にそれを磨き続けることは、とても幸福なことに思えます。(彰)
ザ・ローリング・ストーンズの1981年の全米ツアーを、名匠ハル・アシュビーが20台のカメラを駆使して撮ったライブ・ドキュメント。屋外と屋内でのライブの2部構成になっていて、随所にドキュメンタリータッチの映像も挿入される。HDリマスターでステージを走り回るミックの表情もより鮮明に。
それは唐突に始まる。メンバーがバックステージにかけあがり、それまで簡単なリズムを奏でていただけの音楽が、突然「A列車で行こう」に変わる。湧き上がる観客たち。そしてキースが「アンダー・マイ・サム」のイントロを弾き始め、舞台監督の「GOサイン」で幕があがる。大量の風船が空に舞い上がるなか、ステージにかけ出していくミック。10万人の観客と一体になるコロシアムを、20台のカメラとヘリの空撮でスクリーンに映しだす。観ている側のワクワク感はもう最高潮。まさにこの数分のオープニングのためだけにこの映画はあるといっても過言ではない。
もちろん、それだけでは終わらない。次第に暗闇へと包まれていくコロシアムで次々と演奏される名曲の数々。そして場面は変わり、屋内ステージでの映像と移っていく。HDリマスターでメンバーのしぐさも、観客の表情までくっきり見える。最後の曲まで1秒たりとも見逃すな!(光)